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慢心を戒める教訓

  • イソップ寓話の教訓No.237「驢馬を買う男」

    ロバの性格を見破った男の話

    ストーリー

    男がロバを買おうとして試しに連れて帰り、自分のロバと一緒にしてみた。

    連れて来たロバは、自分のロバの中で最も怠け者で、最も大食いのロバの側へ行った。

    そして何もしようとしないので、男は縄をかけて元の持ち主に返した。

    元の持ち主は「こんなに速く気性がわかったのか?」と尋ねたところ、男は答えて、

    「こいつが仲間に選んだ奴を見て、どんな奴か分かったのさ!」

    類は友を呼ぶ。人も動物も気の合う者や似た者同士は、自然に集まって仲間を作るものだ。

    ロバを買う男の画像
    イソップ寓話の教訓No.237「ロバを買う男」
  • イソップ寓話の教訓No.226「亀と兎」

    ストーリー

     亀と兎が足の速さのことで言い争い、勝負の日時と場所を決めて別れた。

     兎は生まれつき足が速いので、真剣に走らず道から外れて眠り込んだが、亀は自分の歩みが遅いこと
     を知っているので、地道に歩き続け、兎が居眠りしている横を通り過ぎ、勝利のゴールに到着した。

    努力は素質に勝る。

    亀と兎の画像
    イソップ寓話の教訓No.226「亀と兎」
  • イソップ寓話の教訓No.210「羊飼の悪戯(イタズラ)」

    ストーリー

    羊飼が羊の群れを村から遠く追って行きながら、いつも、いつも、いたずらをして村人をだましていた。

    狼が来てもいないのに、大声で「狼が羊を襲いに来た、助けて!」と言っていた。

    最初のうちは、村人も慌てて飛び出してきて、いたずらだったことに気づき、やがて笑いものにされて戻って行った。

    とうとう本当に狼が羊を襲いに来てしまった時、羊飼は助けを求めて叫んだが、村人は「また、いつものいたずらさ!」と気にもかけなかった。

    こうして羊飼いは、羊を失ってしまった。

    嘘つきのレッテルを貼られると真実も信用してもらえない。

    狼に追いかけられる羊飼い。羊飼いのいたずらの画像
    イソップ寓話の教訓「羊飼の悪戯」
  • イソップ寓話の教訓No.110「英雄」

    ストーリー

    家で英雄を祀り、惜しみなくお供えをする男がいた。

    生贄のために毎日お金を使い、おびただしくつぎ込むので、英雄が夢枕に立って告げた。

    「そこの者、財産を湯水のように使い果たすのはやめよ!貧しくなったら私の所為にするだろうから。」

    夢中になるものには財布の紐が緩む。注意が必要だ。

    英雄の画像
    イソップ寓話の教訓No.110「英雄」
  • イソップ寓話の教訓No.140「恋するライオン」

    相手が夢中になるものを持てるか!

    ストーリー

    ライオンが農夫の娘に惚れて求婚した。農夫は獣に娘を嫁がせるわけにはいかず、しかし、恐ろしくて拒否もできないので、策を考えた。

    農夫は「ライオンは娘の婿にふさわしいが、牙を抜き爪を切らなければ、嫁にはやれない!娘は、それが怖いと言っている」と言った。

    ライオンは惚れた弱みで条件をのむと、牙を抜き、爪を切って近寄ってくるライオンを棒で叩いて追っ払ってしまった。

    相手の心をつかみたいなら、相手が夢中になるものを持っていれば良いのだ。

     アメリカの心理学者「アーサー・アーロン博士」をご存じだろうか?
     「見知らぬ男女を恋愛関係にする36個の質問」を発表した方だ。36の質問に交互に答えるという簡単なものだ。筆者は試したことが無いが、興味がある方はトライされては。

    恋するライオンの画像
    イソップ寓話の教訓No.140「恋するライオン」
  • イソップ寓話の教訓No.137「蚊と牛」

    ストーリー

     蚊が牡牛の角に止まってしばらく休んでいた。そろそろ飛び去ろうとして「もう離れてもらいたいか?」と尋ねたところ、牛はそれに答えて、

     「お前が止まっていたのも気付かなかった。飛び去っても気付かないだろうな!」

    自分が思うほど他人は気にしていないことがある。うぬぼれには注意が必要だ。

    蚊と牛の画像
    イソップ寓話の教訓No.137「蚊と牛」
  • イソップ寓話の教訓No.134「眠る犬と狼」

    チャンスを捕まえるには常に備えることだ!

    ストーリー

    犬が小屋の前で眠っていた。

    狼はこれを見つけ、捕まえて食べてしまうこともできたが、

    犬が「今は放してください!痩せてガリガリですが、ご主人が結婚式をなさいます。後になれば太った私を食べることが出来るのです!」

    狼はもっともだ!と思い逃がした。

    しばらくして狼がやってくると、犬は屋根の上に寝そべっていた。約束を思い出し「下りて来い!」と言ったところ、犬は答えて、

    「狼さん、今度私が小屋の前で寝ていたら、結婚式まで待たないほうが良いですよ!」

    チャンスは突然現れ逃すと次はしばらく来ない。チャンスを捕まえたければ常に備えることだ。常に備えることでチャンスの到来も増える。

    眠る犬と狼の画像
    イソップ寓話の教訓No.134「眠る犬と狼」
  • イソップ寓話の教訓No.121「竪琴弾きの歌手」

    ストーリー

    下手な竪琴弾きの歌手が、漆喰塗りの家でいつも歌っていたが、声が良く反響するので、自分はなかなかの美声だと思うようになった。

    そして次第に自惚れが昂じ、劇場に出演することになった。

    しかし舞台に上がってみると、その歌は話にならないほど酷く、石を投げられ追い出された。

    自惚れは、恥ずかしい思いをしないと気付かない。

    竪琴弾きの歌手の画像
    イソップ寓話の教訓No.121「竪琴弾きの歌手」
  • イソップ寓話の教訓No.84「二匹のセンチコガネ」

    ストーリー

    小さな島で二匹のセンチコガネが牛の糞を食べて生きていた。

    やがて冬が近づくころ、一匹が「本土に渡って冬を過ごしたい。そうすれば一人残った君には餌が十分回るだろうし、もし食べ物がたくさん見つかれば運んできてあげるよ!」と言った。

    本土へ来てみると、水気たっぷりの牛の糞がどっさり手に入り、そこに留まって身を養っていた。

    冬が過ぎ、島に戻ったところ、彼は色つやも良く、元気そのものなのを見て、島に残っていた一匹が「約束したのに何も持ってこなかった!」と非難した。そこで本土へ渡って冬を越したセントコガネが言うには、

    「ぼくでは無く、土地に文句を言ってくれ!本土の土地から栄養は摂れるが、運べる食べ物は無かったんだ!」

    自分に都合よく行動するために、守る気もない約束をする奴には注意だ。

    二匹のセンチコガネの画像
    イソップ寓話の教訓No.84「二匹のセンチコガネ」
  • イソップ寓話の教訓No.70「樫と葦」

    ストーリー

     ある日、樫が葦に言った「お前は小さな鳥がとまっても重そうに頭を下げている。それに比べ私は太陽の日差しも遮ることが出来るし、北風にも堂々と立ち向かう。」

     ある時、大風が吹き葦は体を曲げ、突風に身を任せて倒れるのをのがれたが、樫は抵抗して根っこから倒れてしまった。

    教訓
    プライドが高い頑固者は環境の変化に柔軟に対応できず滅ぶ。弱いものは肩身が狭くストレスがたまる。しかし弱いものの生き方が、生き残る秘訣となることがある。

    厚顔無恥、慇懃無礼な者は気分が良いだろう。ところが、いざ困難が降りかかった時には誰も助けてくれない。いずれ孤独を味わい自分の生きざまを見せつけられるのだ。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.69「隣同士の蛙」http://イソップ寓話の教訓隣同士の蛙

    樫と葦の画像
    イソップ寓話の教訓No.70「樫と葦」
  • イソップ寓話の教訓No.73「海豚(イルカ)と猿」

    ストーリー

    ある人が船出に際し、猿を一緒に乗せた。

    スニオン岬のあたりに来た時、激しい嵐に見舞われた。船が覆り全員が海に飛び込んだところ、この猿も泳ぎだした。

    イルカがこれを人間だと思い、真下にくると背中に乗せて運んでやった。

    そしてアテネの外港ペイライエウスに近づいたところで「アテナイの方ですか?」と猿に尋ねた。

    「その通り、そこの名士の子だ!」と猿の回答に、イルカは「ペイライエウスをご存じですか?」と聞いた。

    すると猿は、てっきり人間のことだと思い「毎日のように会う友人だ!」と答えた。

    イルカはこの嘘に腹を立て、猿を水に突き落とし溺れさせた。

    ※スニオン岬:ギリシャのアッティカ半島の最南端にある岬
    ※ペイライエウス:ギリシャのアッティカ地方にある港湾都市

    愚かな人が知ったかぶりをして振舞っても、すぐにバレてしまう。そのような愚かな振る舞いは事態を悪化させるだけだ。そこから学べることは戒めくらいである。だから同類とならないように離れることだ。

    イルカと猿の画像
    イソップ寓話の教訓No.73「海豚(イルカ)と猿」
  • イソップ寓話の教訓No.78「船旅をする人々」

    ストーリー

     人々が船に乗り込んで航海にでた。ところが沖に出たところで嵐となり、船は今にも沈みそうになった。乗客の一人は着物を引き裂き、泣きわめきながら祖国の神々に呼びかけて、皆の命が救われたなら、感謝の供物をささげると約束した。
     嵐がやむと、安堵の気持ちから、祝宴をあげ踊ったり跳ねたりした。しかし舵取りの男は堅実だったので、彼らに対して言った、
     「皆さん、また嵐に会うかもしれない、という気持ちで喜ばなければなりません!」

    禍福はあざなえる縄の如し。はしゃぎ過ぎは禁物だ。