投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.327「海の幸山の幸」

    飽きるのは成長が止まった証拠!

    ストーリー

     狩人は狩りを終えて山から下り、漁師は魚籠を魚で一杯にして戻る途中で、ばったり会った。

     狩人は海を泳ぐ魚が欲しく、漁師は野の獲物が欲しくてならず、お互いの持っているものを交換した。

     それからというものは、いつも交換して食事を楽しんでいた。

    それを見た人が言った。

    「習慣になれば、だんだん飽きてきて、その楽しさも消えるだろう。今度は元のものが恋しくなるのだ!」

    この物語の教訓は・・・
    人は簡単には手に入らないものほど欲しくなる。しかし一度自分のものになって時間が経つと、つまらなく感じ始める。それは人であっても物であっても同じだ。
    手に入れたものが自分の中で変化しないから飽きる。要するに、そのものに対して自分の気持ちが変化しないから飽きるのだ。自分が成長していると自分が常に変化しているのだから、同じものでも少しも飽きない。飽きるのは成長が止まった証拠。

    海の幸山の幸の画像
    イソップ寓話の教訓No.327「海の幸山の幸」
  • イソップ寓話の教訓No.325「雲雀(ヒバリ)と農夫」

    何かを始めるには、まず自ら動き出す!

    ストーリー

    雲雀が若草の中に巣を作り、雛たちを麦の葉で育てていた。

    畑の主が見回りに来て、黄金色になった麦の穂を見ると、

    「そろそろ刈り取りの時期だ。何人か仲間を集めなければならない」と言った。

    雲雀の雛が一羽、これを聞いていて父親に、自分たちをどこかに移してほしいと頼んだ。

    父親はしかし「まだ逃げなくていい。仲間を頼りにする人は、そんなに急いでいないものさ!」と言うばかりだった。

    再び、畑の主がやって来て、麦の穂が光を浴びて、こぼれそうになっているのを見ると、次の日に穂の刈り手と、束の運び手を雇うと言いながら、段取りを始めた。

    すると雲雀が雛に向かって言うには、

    「今度は本当に逃げる時だ。自分が動き出したのだから」

    何かを始めるには、まず自ら動くこと。
    自らの頭で考えても実際の行動は他人振る!というのは実効性がない。結果の出ない会社の企画によくあるパターンだ。

    この雲雀たちは見事に農夫に見つからず、巣をどこかに移すことが出来ただろうか?

    トラブルをうまく処理して安心から気を緩めたときに次の危険が迫っていることが多いので注意が必要だ。

    雲雀と農夫の画像
    イソップ寓話の教訓No.325「雲雀と農夫」
  • イソップ寓話の教訓No.320「馬と兵士」

    人は育てられたように育つ!

    ストーリー

    戦争が行われている間、騎士は馬を戦場における戦友とみなして大麦などの餌で大切に養っていた。

    ところが戦争が終わり平和が続くと、騎士も給料が貰えなくなる。すると生活のため、この馬を使って太い丸太を森から町まで引かせたり、雑多な荷物を運ぶ仕事に専念するようになった。そして馬の餌は惨めなふすまで命をつなぎ、背中に積むのは騎士の装備ではなかった。

    ところが、新たな戦争のうわさが流れラッパが鳴ると、あの男も再び剣を研ぎ、盾を磨き、馬を飾り、轡を噛ませ、馬にまたがろうとした。

    しかし馬はもはや力なく倒れこんで、男に言った。

    「歩兵隊として戦争へ行ってください。私を馬から驢馬へ変え、さんざんこき使ったのに、どうして驢馬から馬へ戻そうとするのですか。もうあなたの都合に合わせることができません!」

    ※ふすま:小麦を製粉するときに除かれる外皮部と胚芽

    この物語の教訓は
    人は育てれたように育つのだ。そして人も動物も機械も無理をすれば寿命が縮むし、大切にすれば長持ちする。

  • イソップ寓話の教訓No.316「ヘラクレスとアテナ」

    力で相手を押さえつけようとするのは逆効果!

    ストーリー

    ヘラクレスが狭い道を歩いていると、地面に林檎のようなものが落ちていた。

    踏みつぶそうとしたところ、それは二倍の大きさになった。

    さらに強く踏みつけ、こん棒で殴りつけた。

    すると、ますます膨らみ、道をふさぐほどになったので、ヘラクレスがこん棒を投げ捨て、あっけにとられていると、

    アテナの女神が現れて言った。「ヘラクレスよ、止めるが良い。それは敵がい心であり、争いであるのだ。相手にせずほっておけば元のままだが、力で押さえつけようとすると、このように膨れ上がるのだ」

    ※アテナ:ギリシャ神話で技術、学芸、戦いなどをつかさどる女神。

    教訓
    争いを力で抑えようとするのは逆効果。一方が力を使えば相手も力を使い、お互いに憎しみが増し一向に収まることはない。

    ヘラクレスとアテナの画像
    イソップ寓話の教訓No.316「ヘラクレスとアテナ」
  • イソップ寓話の教訓No.306「ヘルメスと蟻に噛まれた男」

    自分の良くないところは気づかない!

    ストーリー

     船が乗客を乗せたまま海に沈むのを目撃した男が言った。「罰当たりが一人乗り込んでいるからと言って、罪もない人が大勢巻き添えを食っている。神の裁きは正しくない!」

     すると蟻の大群が行列をなして男の足元を歩いていた。そして中の一匹が男の足に咬みついたところ、男はたまらずたくさんの蟻を一緒くたに踏みつぶした。

     するとヘルメスが男の前に現れ、その男を杖で打ちながら言った。

    「お前は神々が人間に対する裁きを非難しておったが、蟻に同じことをしているではないか!」

    この物語の教訓は・・・
    自分の良くないところは気づかない。他人の良くないところはとてもよく見えるし、ついつい指摘したくもなる。見えにくいのは自分の良くないところ。他人を指摘することで、指摘できる自分には問題がないと錯覚してしまい、自分の問題点が隠れてしまう。

    ヘルメスと蟻に噛まれた男の画像
    イソップ寓話の教訓No.306「ヘルメスと蟻に噛まれた男」
  • イソップ寓話の教訓No.291「牛追いとヘラクレス」

    神頼みの前に出来ることはやり尽くす!

    ストーリー

     牛追いが村から荷車をひいてくる途中、車輪が窪みにはまってしまった。何とか抜け出さねばならないのに、牛追いはぼさっと突っ立っていた。

     しまいに彼が崇拝する唯一の神様であるヘラクレスに助けを求めるため祈り始めた。

     するとヘラクレスが現れて言った。

    「牛追いよ、車輪に取り付き押しながら、突き棒で牛をつけ!自分でも何かしてから神頼みをするがよい。さもないと祈っても無駄だ。」

    この物語の教訓は・・・
    出来ることはやり尽くす。思いもよらぬトラブルが起きた時、パニックになって立ち止まっていては何にもならない。まずは自らの頭で考え、自ら体を動かすことだ。するとほとんどの事は好転する。仮に好転せずとも後悔無く結果を受け入れることができるだろう。神頼みは一番最後だ。

    牛追いとヘラクレスの画像
    イソップ寓話の教訓No.291「牛追いとヘラクレス」