投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.31「ロマンス・グレーと二人の愛人」

    バランスの悪さは災難をもたらす!

    ストーリー

     ロマンス・グレーの男が、若い娘と年上の女と、二人の愛人を持っていた。

     年上の女は、自分より若い男と付き合うのがきまり悪く、男が来るたびに黒い髪の毛を抜き続けた。

     若い女は、年寄りを愛人にするのに気が引けて、白髪を抜き続けた。

     二人の愛人から代わる代わる髪の毛を抜かれた男は、ついに禿てしまった。

    バランスの悪さは災難をもたらすので要注意だ。

  • イソップ寓話の教訓No.30「遭難者とアテナ女神」

    自分で出来る努力をしてから祈るべき!

    ストーリー

     金持ちのアテナイ人が、他の客と乗り合わせて船旅をしていた。

     猛烈な嵐になり船が転覆したので、誰もが助かろうと泳いでいるのに、金持ちのアテナイ人は「助かった暁には沢山の供物を捧げる」と、ひたすらアテナ女神に祈っていた。

     一緒に船から放り出された男が一人、すぐそばで泳いでいて、金持ちのアテナイ人に向かって言った。「女神に祈るのも良いが、自分の手も動かせ!」

    自分で出来る努力をしてから、神様に祈るべきだろう。そうしなければ神様も願いを聞いてはくれない。

  • イソップ寓話の教訓No.28「食わせ者」

    食わせ者には天罰が下る!

    ストーリー

     貧しい男が病のため床に臥せていた。だんだん病状が悪化し死が間近に迫った時「命を救ってくださったなら、ヘカトンベーを捧げます」と神々に祈った。

     神様はこいつを試してやろうと、すぐに病を回復させて願いを叶えてやった。

     男は床上げしたものの本物の牛を調達できないので、小麦粉をこねて牛百頭を作ると、「神様、約束のものをお受け取りください」と言いながら祭壇で焼いた。

     神々は、今度はこっちから一杯食わせてやろうと男に夢を送り「海岸へ行くがよい。行けばアテナイの銀貨で千ドラクメになるであろう」と告げた。

     男は大喜びで海岸へ行ったが、そこで海賊に捕まり、千ドラクメで売り飛ばされた。

    ※ヘカトンベー:生贄、百牛犠牲
    ※ドラクメ:1ドラクメは当時の男性労働者の1日の賃金に値する金額

    食わせ者には天罰が下るということ。

    類似の教訓
    イソップ寓話の教訓No.5「借金のあるアテナイ人」

    イソップ寓話の教訓No.34「出来ないことを約束する男」

  • イソップ寓話の教訓No.27「狐とモルモーの面」

    見た目は立派だが中身がない!

    ストーリー

     狐が彫物師の仕事場に入り込み、中のものを嗅ぎまわっているうちに、役者の面を見つけて手に取ってみた。

     狐が言うには「なんだこの頭は?脳みそがないぞ!」

    ※モルモー:女性の姿をしたお化け

    見た目は立派だが中身がない。肩書は立派だが実力が伴わない。そんな人がそこら中にいる。まずは中身を磨くことだ。

  • イソップ寓話の教訓No.19「狐と茨」

    危機の時でも人を見る目を持つ冷静さが必要!

    ストーリー

     狐が生垣に登っていて滑り落ちそうになった。あわてて茨をつかんだところ、足の裏をひっかかれ血だらけになった。

     てっきり味方と思ってすがった者を、ひどい目にあわすのか、と狐がなじると、茨は言った。

     「お前こそ見当違いだ!触れるものに絡みつく習性のある私に、しがみつこうとしたんだからな!」

    自分が困っていると助けてくれる人がいる。中には悪人である場合もある。危機の時でも人を見る目を持つ冷静さが必要である。

  • イソップ寓話の教訓No.11「笛を吹く漁師」

    的外れなことをしていないか?

    ストーリー

     笛の上手な漁師が、笛と網を持って海に向かった。

     磯の先端に立って、まず笛を奏でた。笛の音に誘われて、魚が躍りながら海から跳ね上がると思ったからだ。

     ところが、いくら頑張って吹いても魚は躍りあがってこない。漁師は笛を横に置き、投網を海に投げ入れたところ、魚がたくさんとれた。

     とれた魚を磯に放り出すと、口をパクパクしながら跳ねるのを見て、漁師は言った。「おれが笛を吹いている間は踊らなかったくせに、今ごろ踊りだしている」

    成果が出ない時には人のせいにせず、自分が的外れなことをしていないか、自省が必要だ。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓NO.54「蝸牛(カタツムリ)」