投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.97「仔山羊と笛を吹く狼」

    目の前に欲しいものがある時は、さっさと手に入れる!

    ストーリー

     群れから遅れた仔山羊が、狼に追いかけられた。

     仔山羊は狼に向かって「狼さん、あなたの餌食にされるのは、納得しています。ただ、野垂れ死には嫌だから踊って死ねるように笛を吹いてください」と言った。

     狼が笛を吹き、仔山羊が踊っていると、犬たちが、それを聞きつけて、狼を追いたてた。

     狼が振り向きざまに仔山羊に言った。
    「俺も良いざまだ。肉をさばくのが本職なのに、笛吹きの真似なんかするんじゃなかった。」

    目の前に欲しいものがある時は、さっさと手に入れること。見せかけの余裕は自分の首をしめる。注意が必要だ。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.4「ナイチンゲールと鷹」


    イソップ寓話の教訓No.18「漁師と鰊」

  • イソップ寓話の教訓No.95「男と悪妻」

    環境が変わっても性格は隠せない!

    ストーリー

     何かにつけて口うるさい性格の妻を持った男が、妻は実家の人たちに対しても同じように振る舞うのか知りたくなった。

     そこで、もっともらしい口実をつけて、妻を里帰りさせた。

     何日かして戻ってきた妻に、家の人たちから、どんな風に迎えられたか尋ねたところ、妻は、「牛飼いと羊飼いは、私をにらむのよ!」と答えた。

     それを聞いた男が言った。
    「そうか、朝早く羊を追って出かけ、夜遅く帰ってくる人たちに憎まれるくらいだ、一日中顔を合わせていた人たちのことは、想像がつくな。」

     口うるさい人、すぐに怒る人、細かい人、ケチな人、世話を焼いてくれる人、優しい人、いろいろ性格はあるが、多少の温度差はあるものの誰に対しても同じ印象を与えていて、自分にだけではない。
     環境が変わっても性格は変わらないのだ!

  • イソップ寓話の教訓No.94「父親と二人の娘」

    その場その場でどちらが大事か優先順位をつけろ!

    ストーリー

     二人の娘を持った父親が、一人を庭師に、もう一人を焼き物師に嫁がせた。

     しばらくして、父親は庭師に嫁いだ娘を訪ね、商売の様子を訪ねた。するとこの娘は「何ひとつ不足はないが、神々に祈りたいことが一つある。庭木に水がたっぷり行きわたるように、大雨になってほしい」と言う。

     また、しばらくして、今度は焼き物師に嫁いだ娘の家へ行き、商売の様子を訪ねた。こちらの娘は、他に欲しいものといってないが、これだけは祈る。「焼物がよく乾くように、晴天が続きお日様が照ってほしい」と言う。

     そこで父親が言うには、
    「お前は晴れが、姉さんは雨が欲しいと言う。私はどちらを祈れば良いのだ。」

    人生では時に「すべてを満たす」ことは不可能であり、優先順位をつける重要性を教えている。すべてを手に入れるのが無理なら、その場その場でどちらがより大事かを考える必要があるのだ!

    ※類似の教訓
    イソップ寓話の教訓No.29「炭屋と洗濯屋」

  • イソップ寓話の教訓No.81「王に選ばれた猿と狐」

    実力の伴わない出世は災いのもと!

    ストーリー

     物言わぬ動物たちの集まりで猿が人気者になり、王様に選ばれた。

     狐がこれを妬んで、罠に仕かけた肉を見つけたのを幸いに、猿を連れて行き「宝物を発見したので、王家への納め物として守っておりました」と言って、猿に手に取るように勧めた。

     猿はうかうかと近づいて行き、罠にかかってしまった。「さては、はめたな!」と狐をなじったところ、狐は言った。
    「お猿さん、あんたはその程度の罠も見破れないくせに、動物たちの王様なのか?」

    実力の伴わない出世は災いのもと。実力どおりの出世でも妬む者は多いから、威張らないほうが良い。

  • イソップ寓話の教訓No.76「鹿と洞穴のライオン」

    目の前の危機は冷静に対処する!

    ストーリー

     鹿が猟師を逃れ、ライオンのいる洞穴の前までやって来た。

     そこに隠れようと入って行ったが、ライオンに捕まり、食われそうになって言った。「なんて運が悪いんだ。猟師から逃れたのにライオンに食われるとは。」

    目の前の危機から逃れたいばかりに、むやみに行動するとさらに大きな災いに見舞われることがある。
    慎重に考え、短期的な問題だけでなく、その選択が生む長期的な影響も視野に入れることが大切だ。

  • イソップ寓話の教訓No.75「片目の鹿」

    思い込みは危険!

    ストーリー

     片目の潰れた鹿が海辺にやって来て、草をはんでいた。

     悪くない目は陸に向け、猟師に襲われないように警戒し、潰れた目を海に向けた。そちらから危険が生じるとは夢にも思わなかったからだ。

     ところが、その沿岸を航海する者があり、鹿を見つけ銃で狙いをつけると、銃弾が鹿に命中した。

     鹿が息絶えようとしながら独りごとで言った。
    「なんてことだ。陸が危険だと思って用心していたのに、海の方から狙われるとは!」

    思い込みは危険だ。視界を狭め、予想外のリスクや新しい可能性を見逃してしまうことがある。どんなことにも「別の見方」があるのを忘れるな!