イソップ寓話の教訓No.89「ヘルメスとテイレシアス」

人を試すことは自分も試される!

ストーリー

 ヘルメスはテイレイシアスの予言が本物かどうか試してみたくなって、彼の牛を畑から盗んでおいて、人間に姿を変えて町へでかけ彼の家に行った。

 一対の牛がいなくなったとの知らせが入ったので、テイレシアスはヘルメスを伴って郊外へ出かけた。盗難について鳥占いをするため「何か鳥を目にしたら教えてくれ!」とヘルメスに頼んだ。

 ヘルメスは初めに鷲が左から右へ飛び過ぎるのを見たので、それを言った。

 ところがテイレシアスは「それは牛とは無関係だ!」と言う。

 次にヘルメスは烏が木にとまり、空を見上げたり地面をのぞき込んだりするのを見たので、それを説明したところ、テイレシアスが言うには、

「その烏は天と地にかけて証言しているぞ。お前さえその気になれば、私の牛が戻ってくる、とな!」

※ヘルメス 富と幸運をもたらす守護神と考えられた。
※テイレシアス 名高い盲目の予言者。

人を試すことは自分も試されている。自分で悪事を働きながら、被害者の前に現れて無関係を装っても見透かされる。そして、いつ白状するのか観察されている。当然に信頼関係は壊れる。

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ヘルメスとテイレシアスの画像
イソップ寓話の教訓No.89「ヘルメスとテイレシアス」

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