イソップ寓話の教訓No.394 「ライオンの子分の狐」

役割と責任のバランス

ストーリー

 狐がライオンの子分になって一緒に行動していた。
 狐が獲物を見つけライオンに教えると、ライオンは襲いっかかって捕まえる。取り分は、それぞれの働きに応じて分けていた。
 ところが狐は、ライオンの分け前が多いので羨ましくなり、狩の役をすることにして、羊の群れから一頭を襲おうとしたところ、狐が猟師の獲物になってしまった。

 狐とライオンの寓話は、「自分の力や立場を超えて欲を出すと危険に陥る」という教訓を示しています。狐は本来の役割を逸脱し、嫉妬からライオンの真似をして狩りを試みた結果、猟師に捕らえられてしまいました。

 この物語は、組織においても同様に「役割をわきまえ、責任に応じた分を守ること」が重要であることを教えています。組織では、リーダーの取り分が多いのは当然のことです。なぜなら、リーダーは「リスクと実行力」を担っており、成果配分は役割の重みと責任に応じて設計されるべきだからです。

 しかし現実には、肩書だけ立派で責任を負わないリーダーも少なくありません。そのようなリーダーが存在すると、高い給与や待遇は「リスク負担」「意思決定責任」の対価であるはずなのに、それを果たさないために組織全体に不公平感が生じます。部下は「この人は守ってくれない」と認識し、忠誠心や協働意欲を失っていきます。

 結果として、組織全体に不満が蓄積し、離職や士気低下につながります。また、上が責任を回避すれば、下も「自分だけ守ろう」と考えるようになり、組織全体が防御的・消極的になります。優秀な人材は離脱し、残るのは自己保身的な人ばかりとなり、組織は停滞と衰退に向かいます。
 
 この悪循環を断ち切るための対抗策は、「責任の範囲を見極めて、選び取る」ことです。全てを背負うのではなく、自分が本当に担うべき責任を明確にし、その範囲で誠実に果たす。これによって、自己保身者に利用される危険を避けつつ、組織における健全な責任の循環を取り戻すことができるのです。

 あなたは、すべての責任を背負う必要はなく、自ら選び取った責任を誠実に果たすことが重要なのです。

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