カテゴリー: 日本の昔話

日本の昔話にまつわる教訓を掲載

  • 日本の昔話の教訓「花咲か爺さん」

    日本の昔話の教訓「花咲か爺さん」のストーリー

    むかしむかし、ある所に良いお爺さんと悪いお爺さんが住んでいました。

    ある日、良いお爺さんの飼っている犬が、庭を見てワンワン吠えています。何かと思い、そこを掘ってみると、大判小判がたくさん出てきました。

    それを隣の家から見ていた悪いお爺さんは、良いお爺さんから犬を借りてきて、庭につないでおきました。

    ところが、なかなか吠えません。「これ、吠えろ!」と犬を棒で叩くと、犬が庭を見て吠えました。早速、掘ってみると、ガラクタがたくさん出てきました。

    腹を立てた悪いお爺さんは、犬を殺してしまったのです。

    それを聞いた、良いお爺さんは、大変に悲しみました。その犬を自分の庭に埋めて供養したのです。

    しばらくすると、そこから大きな木が育ちました。

    良いお爺さんは、その木で臼を作り、餅をついたところ、そこから大判小判がたくさん出てきたのです。

    それを見ていた悪いお爺さんは、その臼を借りてきて、餅をついてみました。ところが出てきたものは、ガラクタでした。

    腹を立てた悪いお爺さんは、その臼を斧で割って、薪にして燃やしてしましました。

    それを聞いた良いお爺さんは、また大変悲しみました。しかたなく、臼を焼いた灰を持ち帰り、枯れ木にまいたところ、一面に、みごとな花が咲きほこりました。

    それも見ていた悪いお爺さんは、灰をもらってきて自分もまいたところ、花が咲かずに、風にのった灰が目に入り、目が見えなくなったということです。

    教訓
    優しい行いは神様が見ていて、ご褒美を与えてくれる。

    花咲か爺さんの画像
    日本の昔話の教訓「花咲か爺さん」
  • 日本の昔話の教訓「蛇と蛙」

    むかし、ある村のお百姓さんが田んぼを見回っていると、蛇が小さな蛙を追いかけていました。

    お百姓さんは「おい蛇よ、そんなに蛙を追うな!おれの一人娘をお前にやるから!」と言ったところ、蛇はおとなしく帰って行きました。

    するとその晩から、若い男が娘の所へ夜遅くきて、朝早く帰るようになりました。

    お百姓さんは「困ったことになってしまった」と思っていた。

    ところがある日、家の前を見たことのない易者が歩いたので、娘のことを占ってもらったところ、易者は「この娘は人間でない者の子を持っているので、近いうちに死ぬだろう。助かるためには、裏山の大木の上に鷲の巣があり、そこに卵が三つある。あれを若い男に頼んで取って来てもらい、食べさせたらよかろう!」といいました。

    そこで、その晩に来た若い男に卵が食べたいと話をしますと、こころよく承知してくれ、すぐに裏山へ取りに向かってくれました。

    大木の前に来ると、若い男の姿だんだん蛇のすがたに変わり、木に登り始めました。木の上の巣までたどり着き、卵をくわえた時に、鷲の親が見つけて、蛇をつつき殺してしまいました。

    その晩から若い男は、娘の所へ来なくなったということです。

    翌日、あの易者が家の前に来たので、呼び止めて、この話をすると「それでは、もう娘さんは助かった!」と言うと・・・、

    蛙の姿にかわり「私はあなたに命を助けられた蛙です」と言って帰って行きました。

    教訓
    良い行いには良い報いがある。

    蛇と蛙の画像
    日本の昔話の教訓「蛇と蛙」
  • 日本の昔話の教訓「化けくらべ」

    ある村に狐と狸が住んでいた。

    狸は「狐さん、どちらが上手に化けられるか比べようじゃないか?」と言った。

    狐は賛成し「明日、神社の境内で会いましょう!」と言って別れた。

    狐は「狸さんがいくら上手に化けるといっても、私にはかなうまい」と、得意の花嫁姿になって出かけました。

    神社の鳥居をくぐろうとすると、おいしそうに湯気が立っている蒸かしたてのお饅頭が置いてありました。

    狐は花嫁姿だったことも忘れ、お饅頭を口に入れようとしたところ、お饅頭が言った・・・

    「勝った!勝った!」

    教訓
    相手を甘く見てはいけない。念には念を入れて準備が必要ですね。

    化けくらべの画像
    日本の昔話の教訓「化けくらべ」
  • 日本の昔話の教訓「金の斧銀の斧」

    ストーリー

    正直な木こりが、池の側で木を切っていました。
    あまりにも力を入れて斧を振り上げたので、手がすべり斧が池の中へ落ちてしまった。

    しばらくすると池の中から水の女神が現れました。その手には金と銀の斧を持っていました。水の女神は木こりに尋ねました。「あなたがこの斧を落としたのですか?」

    木こりは「私の落とした斧は鉄の斧です」と答えると、水の女神は木こりに鉄の斧を渡し、そして正直に言ったご褒美として、金と銀の斧も渡しました。

    これを聞きつけた怠け者の木こりは、自分も金と銀の斧が欲しくてたまりません。怠け者の木こりは錆びた鉄の斧を持って池の側へ行くと、わざと池の中へ斧を投げ入れました。

    しばらくすると池の中から水の女神が現れました。その手には金と銀の斧を持っていました。

    水の女神は怠け者の木こりに尋ねました。「あなたがこの斧を落としたのですか?」

    怠け者の木こりは「私が落としたのは金と銀の斧です!」と答えると、水の女神は「あなたが落とした斧は鉄の斧です」と言い、嘘をとがめ、水の中へ消えて行った。

    教訓
    成功した人を表面的に真似てみても同じようには成功しない。そんなことをしていれば自分は怠け者で能力の無い人間だということを思い知らされる時がくるだろう。だから日々、謙虚に努力することを忘れてはならないのだ。人の良いところを見たら自分は同じようにできているか点検することである。

    日本の昔話の教訓「金の斧銀の斧」
    Leslin_LiuによるPixabayからの画像
  • 日本の昔話の教訓「笠地蔵」

    無心の優しい行いにはご褒美がある。

    ストーリー

    笠地蔵の画像
    日本の昔話の教訓「笠地蔵」

    むかし、ある村にやさしいお爺さんとお婆さんが住んでいました。

    お爺さんは編み笠を作り、それを売って暮らしをたてていました。

    寒い大晦日も笠を売りに出ましたが、少しも売れません。

    しかたがないので、笠を背負って帰ることにしました。

    帰る途中、吹雪の中でお地蔵様が寒そうに立っておられます。

    お爺さんは「お地蔵さまが寒そうだ。この笠をかぶってください」と言って、背負っていた笠をお地蔵様にかぶせてあげました。

    順番に笠をかぶせていると、笠が一つ足りません。

    お爺さんは「笠が足りなくなったので、私のかぶっている手拭いで我慢してください」と自分の頭にかぶっていた手拭いを、お地蔵様にかぶせてあげました。

    雪が降る中、お爺さんは家に戻り、お婆さんにその話をして、寝てしまいました。

    すると明け方に遠くの方から、そりを引く音が聞こえ、家の前までくると、また戻って行きました。

    お爺さんとお婆さんは、そっと外を見ると、お地蔵様の帰る後ろ姿と置いていった宝物の袋が置いてありました。

    この物語の教訓は・・・
    無心の優しい行いはご褒美がある。思うように事が運ばない時でも、必ず何かの役に立つはず。そのような時もあると受け入れましょう。