ストーリー
蟹が海から這い上がってきて、独り砂浜で餌をあさっていた。腹を空かせた狐がこれを見つけ、食い物に困っていたので、駆け寄るなり捕まえた。
蟹がまさに食われようとして言うには、
「当然の報いだ。海の者が陸の餌を取ろうとしたのだから。」
本業を捨てて違うことに手を出す者は、失敗しても当然と思う気持ちで始めなければなりません。

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蟹が海から這い上がってきて、独り砂浜で餌をあさっていた。腹を空かせた狐がこれを見つけ、食い物に困っていたので、駆け寄るなり捕まえた。
蟹がまさに食われようとして言うには、
「当然の報いだ。海の者が陸の餌を取ろうとしたのだから。」
本業を捨てて違うことに手を出す者は、失敗しても当然と思う気持ちで始めなければなりません。
ストーリー
夏の盛り、蟻が冬の食糧を集めるため、畑を歩き回っていた。
センチコガネはこれを見て、他の動物が仕事を止めてのんびりしているときに汗水流すとは、何とも大変なことだと驚いていた。
蟻はこの時は黙っていたが、やがて冬になると、餌になる糞も雨に流され、飢えたセンチコガネが、食べ物を分けてもらおうと蟻の所へやってきた。
それに対して蟻が言うには、
「センチコガネ君、君も夏の盛りに苦労していたなら、今餌に困ることもなかろうに。」
将来に備えないものは、いずれその報いを受ける。
ストーリー
二人の男が一緒に旅をしていた。
一人が斧を見つけたので、もう一人が「俺たちは見つけた」と言ったところ、はじめの男は「俺たちは見つけた、ではなく、君が見つけた!と言うべきだ」と注文をつけた。
しばらくすると、斧をなくした人が追って来た。
斧を持つ男は追いかけられて、道連れに向かって「俺たちはもうだめだ」と言ったところ、
「俺たちは、ではなく、君がもうだめなんだ。君は斧を見つけた時だって、自分の手柄にしたくせに。」
手柄を独り占めしたら、その責任も負わなければならない。
災いが真の友かどうかを試す
ストーリー
二人の友達が一緒に旅をしていた。
熊が現れたので、一人はさっさと木によじ登って隠れたが、もう一人は捕まりそうになって、地面に倒れて死んだふりをした。
熊は死んだふりをしている男に鼻を近づけてクンクン嗅ぎまわっていたが、死んでいるものは食べないと聞いていたので、息を殺してじっと我慢していた。
しばらくすると、熊は何もせずに去っていった。
木から下りてきた男は「熊は君の耳元で何かささやいているようだったが、なにをささやいていたのだい?」と尋ねるので、男が言うには、
「君を置いて逃げ出す友人とは、一緒に旅をするな!と言ってたよ。」
災いが真の友かどうかを試す機会になる。
真の友に値する人はそうたくさんはいないし、そして価値ある友を見分けることは難しい。真の友がいれば、楽しい時はもっと楽しくなり、悲しい時は悲しみが薄らぐのだ。
不正はいずれ見破られる!
ストーリー
目を患った老婆が、礼金を約束して医者を呼んだ。
やって来た医者は、薬を塗りながら、老婆が目をつぶる度に、一つずつ家具を盗んでいった。
すっかり盗み出したところで治療も終わったので、約束の礼金を求めたところ、老婆が「払わない」と言うので、役人の所へ突き出した。
老婆の言い分は「目を直してくれたら礼金を払うと約束したが、治療のおかげで前よりも悪くなった」と言うものだった。
老婆が言うには、
「だって、以前は家にある家具がすべて見えたのに、今は何ひとつ見えなくなったんだよ!」
「どうせ分からないだろう」と相手を甘く見て行った不正は、ほとんどが見破られる。
安易な対応は深みにはまる
ストーリー
働き者の未亡人が下女を使い、いつも彼女らを雄鶏の時に合わせて、夜の暗いうちから仕事へとたたき起こしていた。
下女たちは休む間もなく働かされるので「この家の雄鶏を絞め殺せば、もう少し寝ていられる!」と思いついた。
夜中に女主人を起こす、この雄鶏こそ、自分たちの不幸の原因だと考えたのだ。
ところが、いざ実行してみると、以前にも増して辛い目を見ることになった。
雄鶏の告げる時が分からなくなった女主人は、もっと暗いうちから下女たちを起こすようになったのだ。
安易な対応は深みにはまる。