イソップ寓話の教訓No.85  「仔豚と羊」

期待される役割

ストーリー

 仔豚が羊の群れに紛れ込んで草をはんでいました。
 ある時、羊飼いに捕まったので泣き叫んでいると、羊たちは仔豚が泣くのを見て、「私たちはいつも捕まっているのに、泣いたりしないよ!」と言いました。
 仔豚は、それに答えて「ぼくと君たちとでは、捕まる意味が違うんだ!君たちが捕まるのは、羊毛か乳のため、僕は肉のためなんだ!」

本当の辛さも、重大さも――それは本人にしかわからない。
仔豚も羊も、それぞれに期待される役割が違う。
仔豚なのに「羊と同じように扱ってほしい」と願っても、それは叶わない。
だからこそ、自分が何を期待されているのかを見極め、その期待が自分とどう関わるのかを考える必要がある。
そして、自分にふさわしい場所を選ぶこと――それは、生き延びるための知恵であり、抵抗でもある。
あなたが期待されていることは、何ですか?

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