イソップ寓話の教訓No.26  「水を打つ漁師」

相手の立場で考える!

ストーリー

 漁師が川で漁をしていた。まず、流れの両岸に差し渡して網を張っておき、紐に括りつけた石で水を打った。驚いて逃げる魚が網にかかるというものだ。
 ところが、これを見ていた近所の人が「澄み切った川を濁し、水を飲めなくするものだ!」と苦情を言うので、
 漁師は答えた。
 「しかし、こうやって川を打たないと、おれが飢え死にしてしまうよ!」

 人はそれぞれ、自分の立場が正しいと信じ、それを正当化しながら生きている。
 意見が対立する場面では、相手を批判する前に、慎重で控えめな姿勢を保つことが賢明だ。
 相手の視点から問題を見つめ直せば、安易な非難も、自分の正当化も、容易ではなくなる。
 そのとき初めて、対話の余地が生まれる。

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