イソップ寓話の教訓No.368  「川と牛皮」

柔軟さこそ真の強さ

川と牛皮

 川が自分の上を流れてゆく牛の皮に「お前はだれだ?」と尋ねた。
 牛皮は答えた。「多くの人から、丈夫な皮と呼ばれています。」
 川は流れで牛の皮を揉みほぐしながら言った。「別の呼び名を探すのだな!もうすぐお前はふにゃふにゃだ。」

 「強さ」に慢心すれば、環境や試練によってその強さは容易に崩れ去ります。むしろ柔らかさや謙虚さを備えることでこそ、人生の荒波に耐えられるのです。強さとは硬さではなく柔軟さにあるという逆説的な真理を、この寓話は示しているのでしょう。
 この教訓を組織構造に当てはめるなら、川の流れは社会的・経済的な変化や顧客ニーズの移り変わり、さらには競争圧力を象徴していると考えられます。社会を取り巻く環境は川の流れのように決して止まらず、組織は常に揉まれる前提で存在しています。
 だからこそ、組織は環境の変化に柔軟に対応できるよう設計されなければならないのです。

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