カテゴリー: イソップ寓話

イソップ寓話にまつわる教訓を掲載

  • イソップ寓話の教訓No.9「井戸の中の狐と山羊」

    冷静に一呼吸おいてから取りかかる方が賢い

    ストーリー

    あるとき水を飲もうとして井戸に落ちた狐が、そこから出ることができず、しかたなくそこでじっとしていた。

    そこへ、のどが渇いた山羊がやって来て狐を見つけると「おーぃ、狐さん!井戸の水はおいしいかい?」と尋ねた。狐は水をほめちぎり「冷たくておいしい水だよ!山羊さんも下りてきて一緒に飲もうよ!」と山羊にも下りて来るように勧めた。

    山羊は水が飲みたい一心で、後先のことも考えず、喜んで井戸の中へ飛び降りたが、水を飲み終わると、狐と共に上り方を考え始めた。

    すると狐は二人が助かるための妙案を思いついた、として言うには「君が前足と角を壁にもたせ掛けてくれたら、僕が君の背中を駆けのぼって、君を引っ張り上げよう!」

    山羊が狐のこの妙案に、喜んで従ったところ、キツネはヤギの背中から角へと駆けのぼり井戸から出ると、そのまま「さよなら」をしようとした。山羊が「約束が違う!」と文句を言うと狐は振り返ってこう言った。

    「山羊さん、あなたに顎鬚ほどの思慮があったら、上り方を考えるまでは下りてこなかったろうに」

    目の前に欲しいものがあると、周りが見えなくなる。事故を起こしてから気付いても遅いのだ。冷静に一呼吸おいてから取りかかる方が賢い

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.43「水を探す蛙」

    井戸の中の狐と山羊の画像
    イソップ寓話の教訓No.9「井戸の中の狐と山羊」
  • イソップ寓話の教訓No.1「鷲と狐」

    親しい相手でも気遣い、配慮は大切だ!

    ストーリー

     鷲と狐が友達になって同じ木に住むことになった。一緒に住めば友情も、より一層深まると考えたからだ。 鷲は木の一番高いところに巣を作り、狐は木の根元の茂みで子育てをすることになった。

     ところがある時、狐が餌を探しに出かけた隙に、食べ物に困った鷲は木の根元に舞い降りて狐の子供をさらって、雛と一緒になって食べてしまった。 帰ってきたキツネは事の次第を悟ったものの、飛んでいるものに仕返しの手立てがなく、上を見上げ鷲を呪っていた。

     あるとき野原で生贄の山羊が焼かれているとき、鷲が舞い降りて火のついた肉を失敬した。 巣に持ち帰ったまでは良いが、突風が吹きつけて小枝でできている巣は一気に燃え上がった。このため、まだ羽も生えそろわない雛は焼かれ、地面に落ちてしまった。

     それを見た狐は駆け寄るなり、鷲の目の前で雛を食べてしまった。

     ちょっとした出来事で、不用意な一言で、何十年間の友情も霧と消える。軽い気持ちの言動が知らずに誰かを傷つけることがある。その痛みは心に残り何かあるごとに顔を出す。だから忘れることができない。そして友情の破綻につながる。
     親しいと思っている相手でも気遣い、配慮は大切だ。

    鷲と狐の画像
    イソップ寓話の教訓No.1「鷲と狐」

    類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.65「旅人と熊」