習慣は恐怖を和らげる!
ストーリー
ライオンを見たことのない狐がライオンにばったり出会った。
初めて目にした時は死にそうなくらいに驚いたが、次に出くわした時は、怖かったが最初ほどでなかった。
三度目に見た時は、近寄って話しかけるほどになった。
習慣は恐怖を和らげる。
未知への恐怖は経験によって克服できるという教訓だ!
イソップ寓話にまつわる教訓を掲載
習慣は恐怖を和らげる!
ストーリー
ライオンを見たことのない狐がライオンにばったり出会った。
初めて目にした時は死にそうなくらいに驚いたが、次に出くわした時は、怖かったが最初ほどでなかった。
三度目に見た時は、近寄って話しかけるほどになった。
習慣は恐怖を和らげる。
未知への恐怖は経験によって克服できるという教訓だ!
安定と自由は両立できない!
ストーリー
まるまる太った飼い犬が立派な首輪をはめられ、鎖につながれていた。
それを見た狼は言った。「お前は鎖につながれて、いつもそこに居るな。自由に動けないから、つまらないだろ!」
飼い犬は答えた。「飼い主に可愛がられているし、餌もたくさんもらえるのですよ。これ以上の幸せはあえりませんよ。」
狼は答えて「奴隷の身で腹いっぱい食べるより、腹が減っても自由でいるほうがマシだ!」
「安定」と「自由」は両立できない。自分が現状に満足していれば、相手を羨ましいとは思わないのだ。相手を羨ましいと思う時は現状に不満がある証拠。それは自分を変えるきっかけになる。しかし行動する前に、本当に自分が望んでいることか、よく観察し考えることだ。安易な判断に基づいた行動は、取り返しのつかない後悔につながるのだ。
バランスが大事!
ストーリー
鶫がミルテの繁みで実をついばみ、その実の甘さに飛び去りかねていた。すると鳥刺しが、その場所から離れられない鶫を見つけると鳥もちで捕まえた。
鶫が言うには、
「ああ、情けない。命の糧である実を食べるために、命を奪われるなんて!」
ミルテ:地中海沿岸が原産の常緑低木。結婚式などの祝い事に使われ、愛や不死、純潔を象徴する。
鶫(ツグミ):背は茶色、顔は黄白色。シベリアなどで繁殖し、秋に大群で日本に渡来する。
仕事においても、日常生活においても、一つの事に集中しすぎると自分を取り巻く環境が見えにくくなる。そんな時こそ、トラブルが迫っている可能性が高い。バランスが大事なのだ。
※類似教訓
イソップ寓話の教訓No.80「蠅」
助ける時は人を見て行う!
ストーリー
ヤマアラシが冬を越すための家を探していた。気に入った洞穴を見つけたが、すでにモグラの家族が住んでいた。
ヤマアラシは「モグラさん、寒い冬の間、一緒に住まわせてもらえないか」と頼んだ。モグラはヤマアラシに同情し承諾した。すぐにヤマアラシはこの洞穴に越してきた。
一緒に住んでみると洞穴が狭く、モグラは自分が動きまわるたびにヤマアラシの針毛が刺さった。モグラは針毛の痛みに我慢ができなくなり、ヤマアラシに出て言ってほしいと頼んだ。
ヤマアラシは言った「この洞穴は住み心地が良いんだ。嫌ならモグラさんが出て行ってくれ。」
世に中には好意をあっさり忘れる者、私欲のために悪だくみをする者が存在する。助ける時には人を見て行うことだ。
お人好しほど貧乏になりやすい。相手の気を悪くしないように断る理由を持っておくことが必要だ。
同じことの繰り返しは後退を意味する!
ストーリー
農夫が畑仕事をしていると、虱がこっそり咬みついた。農夫は仕事の手を止め、シャツの掃除をした。するとまた虱が咬みついた。
二度までは耕作の手を止めシャツの掃除をしたが、またも咬まれるので、再三仕事の手を止めなくても良いように、シャツを火にくべ、燃やしてしまった。
教訓
一度うまくいったからと同じことの繰り返しは後退を意味する。絶えず新たな方法の模索を続け、自分を磨き続けなければ自滅するのだ。
おだてに乗らず、その言葉の真偽を見極める冷静さが必要だ!
ストーリー
ライオンが牛を見つけた。
食べたいが角にやられるのが怖い。力で勝つには危険が大きいと見た時は謀をするものだと考え、ライオンは友情を装い牛にすり寄った。
「あなたの強さには感服です。美しさも驚くほかありません。その頭、お姿、なんと素晴らしい。ただ残念なのは、頭の上に大きな荷物を載せておられる。そんなものは外してしまいなさい。見た目が良くなるし、頭が軽くなりますよ!」
牛はライオンの褒め言葉に従って角を捨ててしまった。するとライオンは、だまされた牛を餌食にした。
褒められれば誰でも気分が良くなり相手に気を許す。そんな時こそ、おだてに乗らず、その言葉の真偽を見極める冷静さが必要だ。
言葉巧みに、焦らせたり、ほめたり、おだてたりする者ほど信用してはいけない。裏の企てがなければ、そのような事はしないからだ。
角(自分の長所や武器)を捨てる前に、誰の言葉に耳を傾けているのか、よく見極めろ。
都合の良いもうけ話は災難を招く!
ストーリー
なんでも食いつく鼠が餌を探して家の中をうろついていた。
すると殻を大きく開けた牡蛎を見つけたので、その身に噛り付いた。
そのとたん牡蛎は殻をパタンと勢いよく閉じたので、鼠は首を挟まれた。
鼠は餌だと思って近づいた牡蛎に捕まってしまい、逃げられなくなった。
都合の良いもうけ話に飛び付くと自ら災難を招くことになる。上手い話はそうそう無いのだ。また強欲は下品さの表れだ。「自分が強欲になっている」と思ったら反省する機会ととらえることだ。
はかりごとは災難を招く!
ストーリー
ある時、狼はたらふく餌にありつくためには、どうすれば良いか考えていた。
すると、羊の皮が置き去りにされているのを見つけ、姿を変えれば獲物に近づけるだろうと考えた。
羊の皮を被るとまんまと羊飼いを欺き、羊の群れに交じって草をはんでいた。
夜になると、狼も羊小屋に押し込められた。羊飼いは晩飯にしたいと思い、ナイフを持って羊小屋に入って行った。
羊飼いが晩飯のために手を付けたのは、羊の皮を被った狼だった。
策を弄しても事はうまく運ばないと心得よ。誰でも自分の過去を振り返れば明らかだ。羊の皮を被るなどと姑息な事をするから被害に合うのだ!後悔しないために、常に自分のやり方を貫くべきだ。
自分に対する誠実さは遠回りでも、最終的には自分を守ることになるのだ!
口先だけで世渡りする奴はさみしい思いをする!
ストーリー
ある船乗に息子がいて文法学を学ばせたいと考えた。そこで学校に行かせたところ、その息子は文法学を極めた。
その後、息子は父親に言った「お父さん、次は修辞学を学ばせてください。」
息子の言葉に父親は賛成し、再び学校に入れた。息子は十分な勉強を行い修辞学者になった。
ある日、親子三人で食事をしていた時のこと、「文法学と修辞学は思いのままだ!」と息子が両親に言うので、父親は「文法を正しく学んだ者は文章を間違えることがないと聞いている。その学問の実例を見せてくれ」と言った。
すると息子は、
「この鶏を文法の規則に従って分配することによって、文法がその他の諸学に勝ることをお見せしましょう。」
息子は鶏を切り分けながら言った。
「お父さん、あなたには頭を差し上げます。あなたは、この家の頭で誰もあなたに頭が上がりませんから。」
「お母さん、あなたには足です。日がな一日、家の中を走り回って山ほど用事を抱えています。足がなければそれもできませんから。」
「胴体は僕に一番ふさわしい!豊かな教養を生かして、口先一つで世渡りすることが出来る人間ですから。」
このように言って息子は鶏を食べ始めた。
父親は頭にきて、息子の鶏を取り上げると、こう言った
「お前は文法を使って鶏を三分割したが、私は修辞学で二分割だ!その一つは私が食べ、もう一つはお前のお母さんだ!お前は自分の修辞学で作り出したところを食べるが良い。」
※修辞学:弁論、演説の技術で聴衆を説得するための学問。相手を丸め込むという意味もある。
言葉の力で現実を操作したり、自分を正当化することは、周りの目には挑発的で不遜に映り、いずれ制裁が下される。
口先だけで世渡りする奴はさみしい思いをするが良い。
相性の良い仲間に恵まれないと、良い仕事はできない!
ストーリー
炭屋の近くに洗濯屋が店を開いた。
炭屋は洗濯屋をたずね、一緒に住もうと誘った。炭屋は、身内同然に仲良くなれるとか、経済的だとか、いろいろ理由をつけて誘ったのだが、洗濯屋は、
「私にはできない。私が白くしたものを、あなたは炭で黒くするだろう。」
仕事のできる者が組んでも相性が良くなければストレスがたまる、摩擦が生まれる。相性の良い仲間に恵まれないと良い仕事はできない。
チームのメンバーと上手に付き合っているだろうか?自分だけ美味しいところを持って行っていないか?自分だけ損をしていないか?定期的に点検が必要だ。
※類似の教訓
イソップ寓話の教訓No.94「父親と二人の娘」
自己評価と他者評価のギャップ!
ストーリー
ヘルメスは人間界でどれほど尊敬されているか知りたいと思い、人間に姿を変えて彫刻家の工房へ入って行った。
ゼウス像を見つけて「値段はいくらかね?」と尋ねたところ
「1ドラクメです」との答え。ずいぶん安いのでおかしくなり、
「ヘラの像はいくらだ?」と聞くと、もっと高いという。
自分の像もあった。自分は神々の使者で利殖の神だから、さぞかし高い値段をつけているだろうと思い、重ねて尋ねた。
「では、このヘルメス像は?」すると彫刻家が言うには、
「さっきの2体を買ってくださるなら、おまけで差し上げますよ!」
※ドラクメ:ギリシャの通貨単位
※ゼウス:ギリシア神話の全知全能の神
※ヘラ:ゼウスの正妻、最高位の女神
※ヘルメス:青年神、利殖の神
自分が重要だと思っていることが、他者にとってはそうでもないということは、よくある事だ。
自己評価と他者評価は常にギャップがあると思え。そうすれば、他者評価が自分の思いに反して良くないとしても、気持ちの落ち込みは軽くて済む。
言葉の裏に潜む目的!
ストーリー
鸛(コウノトリ)が鰻をくわえていた。それを見た猫は鰻が欲しくなり、奪ってやろうと考えた。
そこで猫が鸛(コウノトリ)に尋ねた。
「ああ、君のくちばしは赤くて綺麗だ!内側も赤いのかい?」
鸛(コウノトリ)は鰻を落とさないように、口を閉じたまま黙っていた。 すると猫は「君は耳も聞こえない、口もきけないのか。答えたらどうなんだ!」と言った。
鸛(コウノトリ)は何も言わず、鰻をくわえたまま立ち去った。
他人が勝手に近づいて来て、あれこれ言う時は裏の目的がある。要注意だ。