カテゴリー: イソップ寓話

イソップ寓話にまつわる教訓を掲載

  • イソップ寓話の教訓No.85「仔豚と羊」

    本当の辛さは本人しか理解できない

    ストーリー

     仔豚が羊の群れに紛れ込んで草をはんでいました。

    ある時、羊飼いに捕まったので泣き叫んでいると、羊たちは仔豚が泣くのを見て、「私たちはいつも捕まっているのに、泣いたりしないよ!」と言いました。

     仔豚は答えて「ぼくと君たちとでは、捕まる意味が違うんだ!君たちが捕まるのは、羊毛か乳のため、僕は肉のためなんだ!」

    本当の辛さや重大さは、本人しか理解できない。仔豚も羊も期待される役割が違う。仔豚なのに「羊と同じことを期待してほしい」と思っても無理なことだ。自分は何を期待してほしいのか、そんなことを考えて身を置く場所を選ぶことも大切だ。

    仔豚と羊(イソップ寓話)
    イソップ寓話の教訓No.85「仔豚と羊」
  • イソップ寓話の教訓No.80「蠅」

    食い意地は災難を招く

    ストーリー

     物置の中で蜜がこぼれたので、蠅が飛んできて舐めた。

     とても甘いので、このご馳走から離れようとしなかったところ、足がくっついてしまった。

     飛び立つこともできず、こぼれた蜜に溺れそうになって言うには、
    「ああ情けない。ご馳走のために身を亡ぼすとは!」

    食い意地は災難を招く。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.86「ミルテの繁みの鶫(ツグミ)」

    蠅の画像
    イソップ寓話の教訓No.80「蠅」
  • イソップ寓話の教訓No.79「猫と鼠」

    仲間の不幸から学ぶことは多い!

    ストーリー

     ある家にたくさん鼠が住んでいた。

     猫がそれを知って、出かけて行くと一匹また一匹と捕まえて食った。鼠は次々とやられていくので、穴にもぐったまま出てこなくなった。

     そうなると猫は手出しができないので、たくらみでおびき出そうと考えた。そこで腕木の上に登ると、そこからぶら下がって、死んだふりをしていた。


     それを見た一匹の鼠が言うには、
    「おいおい、たとえお前が革袋になったとしても、近づくことはないぞ!」

    賢い人は、誰かが一度でもひどい目にあっているところを見たら、同じ轍は踏まない。仲間の不幸から学ぶことは多い。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.149「ライオンと驢馬と狐」

    猫と鼠の画像
    イソップ寓話の教訓No.79「猫と鼠」
  • イソップ寓話の教訓No.77「鹿と葡萄」

    恩を受けても時が経つとありがたみが薄れてしまう!

    ストーリー

     鹿が猟師に追われて、葡萄の木陰に身を隠した。

     猟師が行ってしまったので、鹿はホッとして葡萄の葉を食べ始めた。そこへ猟師が戻ってきて、スカスカになった葡萄の間に鹿を見つけ、捕らえられた。

     鹿はため息をつきながら言った。
    「なんてバカなことをしたんだ!身を隠してくれた葡萄の葉を食べてしまったとは。」

    恩を受けても時が経つと忘れてしまう。恩を受けた時のことを忘れぬよう常に自分を戒めておくことで恩人との関係が長続きする。

    鹿と葡萄の画像
    イソップ寓話の教訓No.77「鹿と葡萄」
  • イソップ寓話の教訓No.74「水辺の鹿」

    見栄を張らずに自分の強みを見極める

    ストーリー

     喉の渇いた鹿が泉にやってきた。

     水を飲み終わり、ふと水に映る自分の姿を見て、大きくて立派な角を見て得意になったが、足が細くて弱々しく悲しくなった。

     思いにふけっていると、そこへライオンが現れ、追いかけて来た。鹿は一目散に逃げだすとライオンを遠く引き離した。
     

     さて、木の無い平原を走っているときは良かったものの、樹木の生い茂る場所に来ると、大きくて立派な角が枝に絡まり走れなくなり、とうとうライオンに捕まってしまった。

     鹿がライオンの餌食になる前に独りごとで言うには、
    「ああ、情けない。頼りにならないと思っていた脚に助けられ、誇らしく思っていた角にやれれるとは!」

    長所と短所は表裏一体。見栄を張らずに自分の強みを見極め最大限に利用する。それが賢いやりかただ

    水辺の鹿の画像
    イソップ寓話の教訓No.74「水辺の鹿」
  • イソップ寓話の教訓No.69「隣同士の蛙」

    頑固な人や変化を嫌う人は他人の話に耳をかしません

    ストーリー

    隣同士の蛙が二匹、一匹は深くて道からも遠い沼に、もう一匹は道にできた小さな水たまりに住んでいた。沼の蛙がもう一方に「自分の側へ引っ越してきて、もっと楽しく安全な暮らしをするように、と勧めたが、こちらは住み慣れた場所から離れがたい、と言って従おうとしなかった。そしてとうとう、通り過ぎる車に轢き殺されてしまった。

    頑固な人や変化を嫌う人は他人の話に耳をかしません。
    人を含めた動物は変化を嫌います。現在の状況を理解しているので、よほどの不満がない限り「失う」という不安が大きくなるので変化を嫌うのです。

    しかし変化をしないことで被る損失も大きいことは理解しておかなければなりません。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.70「樫と葦」

    都会の蛙と田舎の蛙の画像
    イソップ寓話の教訓No.69「隣同士の蛙」