イソップ寓話の教訓No.364「母猿とゼウス」

他人の評価と自分の価値!

ストーリー

 ゼウスがすべての動物の子供の可愛さを比べる競争で、優勝した者には商品を出すことにした。

 神々は一人一人審査をしながら眺めていた。

 可愛い子を持つ母として猿もやって来たが、胸に抱くのは赤裸で鼻ぺちゃの子猿だった。

 その子猿を見て神々の間に、どっと笑いが起ったが、母猿が言った。

 「誰が優勝するかゼウス様はご存じでしょう。しかし私には何といってもこの子が一番可愛いのです。」

 ゼウスは外的基準に依存した判断をおこなった。神々もゼウスの評価基準に依存した。
 しかし母猿は「自分にとっての価値」を主張し、倫理的な抵抗をする。
 ゼウスが審査するという構図は、「権威による価値の決定」であり、母猿にとっては「権力による価値の押しつけ」に他ならない。
 組織の人事評価で「納得感」ではなく「押しつけ」と感じることは無いだろうか?
 一方的な見かたによる基準だけでは「本当に守るべき価値」を見落とす可能性がある。これに気づかないと組織が崩れてゆく。
 これは、制度が持つ画一的評価の限界だ。

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