イソップ寓話の教訓No.363「子供と絵のライオン」

運命は変えられないが、態度は選べる。焦らず誠実に待て!

ストーリー

 勇敢で狩りの好きな一人息子を持つ老人がいた。

 ある時、息子がライオンに殺される夢を見たので、正夢となって現実になることを恐れ、美しく頑丈な建物を作り、そこで息子を守ろうと考えた。

 建物の中には立派な調度品や心を楽しませるための様々な動物の絵も飾った。その中にはライオンの絵もあった。

 しかし息子は、建物の中にいるばかりで、気分もふさぎ込みがちだった。

 ある時、ライオンの絵の前に立つと「お前と親父の夢のせいで、退屈な建物に閉じ込められたままだ。どうしてくれる」と言うなり、絵のライオンを殴りつけた。

 すると釘が手にささり、激しい痛みと炎症を起こした。続いて高熱が発症し、亡くなってしまった。

 父親が息子をライオンから守ろうと立てた建物の中で、絵に描かれたものとはいえライオンに殺されてしまった。

運命は変えられない。ダメな時はどんなに策を弄してもダメである。
だからと言って自棄にになるような、感情に支配された選択をすると、運命を加速させる。
「果報は寝て待て」のことわざどおり、焦らずに待つべきである。

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