イソップ寓話の教訓No.47「内臓を吐く子供」

欠乏感は増幅する!

ストーリー

野原で生贄の牛を焼く人達が隣人を招いた。その中に貧しい女がいて、腹を空かした子供も一緒にやってきた。宴会が行われているあいだずっと、この子供はもつ焼きを食べ続けていたので、お腹がはちきれんばかりに膨らんだ。
子供は「お母さん、内臓を吐きそうだよ」と言うと、
母親が答えて言うには、
「坊や、それはお前の内臓ではなくて、お前が食べた牛の内臓だよ。」

 欠乏感は増幅する。自分の中に生まれた欠乏感は「欲しい欲しい、足りない足りない、もっともっと」と、求めてもがきまわる。
必要以上に詰め込んで、出すときは自分の身を削るがごとく感じてしまう。
 現代社会への教訓として、貧困であるが故の無知な子供が、生贄を無制限に食べることで、神聖なものを食べ尽くす、ある種の「無知」を象徴している。隣人の善意で招かれた宴が、貧しい者にとっては、逆に苦しみを生むことになる。
 つまり、善意は必ずしも幸福をもたらすわけではなく、受け取る側の理解が必要なのだ。

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