グリム童話の教訓「梁(うつばり)」

魔法使いが女の子に魔術を見破られ、仕返しをする話

ストーリー

むかし一人の魔法使いがいました。魔法使いは大勢の人を集め、不思議な魔術を使って驚かせていました。
その魔術の中に鶏に家の梁を軽々とかつがせる術がありました。ところが見物人の中に一人の女の子がいました。その女の子は四葉のクローバーを持っていたので魔術にかかることなく、鶏が担いだのは藁であることを見破りました。
女の子は「みんな、分からないの?鶏がかついでいるのは藁だよ!」と大きな声をあげました。そのとたん魔術は消えて、見物人にありのままが見えました。
魔法使いは見物人にさんざん悪口を言われ、これ以降、不思議な魔術を見物するものはありませんでした。魔法使いも姿をあらわさなくなりました。
それから年月が経ち、この女の子がお嫁に行くことになりました。花嫁衣装に身を包み、大勢の行列を整えて野原をとおり、教会までねりあるいて行きました。
ところが思いがけなく、大きな川の岸に出ましたが、橋がありません。花嫁は仕方なく衣装をまくりあげて川を渡り始めました。
川の途中まで来ると誰かが大きな声で「花嫁が畑の真ん中で衣装をまくっているぞ!」と言いました。これは、いつぞやの魔法使いでした。
こう言われて、花嫁がはっと気づき辺りを見回すと、衣装をお尻までまくって麻畑の真ん中に立っているのでした。

※四葉のクローバー:これを持っていると魔術を見破ることができると言われていました。

教訓
名誉にかかわる指摘はすべきでない。名誉を汚されたと感じれば相手も容赦はない。わざわざトラブルを招くような愚かな事はやめよう。トラブルに合わないようにするのは自分次第である。

グリム童話の教訓「梁(うつばり)」
グリム童話の教訓「梁(うつばり)」
NouploadによるPixabayからの画像

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