イソップ寓話の教訓No.69  「隣同士の蛙」

慣れへの執着が危険を招く!

ストーリー

 隣同士の蛙が二匹、一匹は深くて道からも遠い沼に、もう一匹は道にできた小さな水たまりに住んでいた。
 沼の蛙が水たまりの蛙に「自分のいる沼へ引っ越してきて、もっと楽しく安全な暮らしをするように、と勧めたが、
 こちらは住み慣れた場所から離れがたい、と言って従おうとしなかった。
 そしてとうとう、通り過ぎる車に轢き殺されてしまった。

 水たまりの蛙は、住み慣れた場所に安心感を抱いていた。しかしその執着が命取りとなり、より安全で豊かな選択肢を逃してしまった。「慣れ」だけを根拠に環境を選ぶと、思わぬリスクに晒される。これは職場や人間関係にも通じる話だろう。
 人間を含む多くの動物は、変化を本能的に避けようとする。現在の状況を理解している安心感があるため、よほどの不満がない限り、「失うかもしれない」という不安が変化への抵抗を生む。
 しかし、変化を拒むことで被る損失もまた大きい。慣れに甘んじることが、可能性や安全を犠牲にしていることに、もっと敏感であるべきではないだろうか。

※類似教訓
イソップ寓話の教訓No.70「樫と葦」

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