犠牲者は出さないほうが良い!
ストーリー
農夫が嵐のために小屋に閉じこめられた。外に出て食物を手に入れることができないので、まず羊を食べた。
しかし嵐はなおも続くので、やむなく山羊も平らげた。
それでも一向に嵐の収まる気配が無い。とうとう三番目には畑を耕す牛にまで手を付けた。
一部始終を見ていた犬たちは、こう言い合った。
「早くここを出て行こう!ご主人は一緒に畑仕事をする牛さえ容赦しなかったんだ。次は俺たちの番だぞ。」
自分のために他者を犠牲にしていると、犠牲になっていないものも危険を察知して去ってゆく。組織を維持したければ犠牲者を出さないことだ。
【ある会社のお話】
若手社員のAが言った。「ベテランがいつまでも管理職に居座っているからポストが空かないんだ。だから自分たちが出世できないんだ!」
ある時、景気が悪くなりリストラが始まった。対象になったのはベテラン社員たちだ。
Aの課ではリストラされたベテラン社員の送別会が開かれた。次の就職先が決まらなかったり、決まっても収入が大幅に下がってしまったり、と困っている様子だった。送別会の帰り際に、会社を去るベテランがAにささやいた。「この歳でリストラはキツイよ。君たちは先が長いからまだ安心だ!だが君たちも、いずれ歳をかさねてベテランになる。このリストラもいずれ君たちが行く道だよ。」
このリストラのあと優秀な若手社員も何人か会社を去っていった。
翌春、Aは管理職になった。しかし心から喜べなかった。
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