イソップ寓話の教訓No.283 「火を運ぶ狐」

怒りの代償!

ストーリー

 葡萄畑や果樹園を荒らしまわる狐を、懲らしめてやろうと思った男が、狐の尻尾に火をつけてやった。
 ところが神様がこれを見ていて、尻尾が燃えている狐を男の畑へと導いた。
 おりしも収穫の季節で麦は豊作であったが、畑の麦に火が付いて燃えだした。
 男は、これまでの苦労を思い狐を捕まえようと追いかけた。しかし男の畑に穀物の女神がほほ笑むことは無かった。

 男は狐に対して「畑を荒らした懲罰」として火をつけましたが、その火が自分の畑を焼き、豊作を台無しにしてしまいました。
 これは、感情的な制裁が、理性や計画を超えて自分の成果を損なうことがあるということを示しています。
 神様が狐を男の畑へ導いたという描写は、自然や神の視点から見た「バランスの回復」とも読めます。つまり、過剰な罰は宇宙の秩序によって是正されるという思想です。
 男は怒りを優先したことで、長年の努力を失いました。これは、成果を守るには冷静さと戦略が不可欠であることを教えています。
 この寓話は「理不尽な相手に制裁を加えたい」と思ったときにこそ、思い出してほしいと願う教訓です。

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