みそさざいと熊(グリム童話)

小さな鳥のミソサザイが熊とけんかをして勝つ話

ストーリー

 熊と狼が森を散歩していたところ、鳥のさえずりが聞こえた。熊は狼に「どんな鳥の鳴き声だろう?」尋ねた。
 狼は「あれは鳥の王様だよ!ご挨拶をしなくてはいけないんだ」と答えた。熊は「王様の御殿を見てみたい」というと、狼は「王様とおきさき様が、いなくなったら見に行こう」と言い、その場を通り過ぎました。

 しばらくして熊と狼が鳥の王様とおきさき様がいない時に、御殿を見に行きました。巣をのぞくと、みそさざいの雛が五、六羽いました。熊が「これが王様の御殿なのか」とバカにすると、みそさざいの雛たちは「馬鹿にするな、おぼえてろ!」わめきました。
 
 しばらくすると、みそさざいのお父さんとお母さんが帰ってきました。雛たちは熊に馬鹿にされたことを話すと、お父さんは「安心しておいで」と言うと、熊のほら穴に飛んで行き、熊に向かって「うちの子供たちをバカにしたな!ひどい目にあわせてやる、とけんかをしかけました。

 熊はけんかに備え狐を呼び出し「お前は知恵のあるやつだ。けんかに勝てるよう指図しろ」と言いつけたのです。狐は「私のしっぽが立っていれば、どんどん進んで下さい。しっぽを下ろしたら逃げ出すのですよ」と言いました。これを聞いていたみそさざいの仲間が、飛びかえってきて秘密をみそさざいに話しました。

 いよいよけんかが始まろうという日になると、みそさざいは蜂に「狐のしっぽの付け根を力まかせに刺してくれ」とお願いしたのです。しっぽの付け根を刺された狐はがまんしきれず、しっぽを股の間に挟みました。これを見た熊は勘違いしてほら穴へ逃げかえりました。

 その後、熊はみそさざいの雛たちにお詫びをしたそうです。

教訓
情報を収集し上手に活用すると、大きな成果につながる。

みそさざいと熊(グリム童話)

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