イソップ寓話の教訓No.348「狼の将軍と驢馬」

日本の政治家

ストーリー

 狼の群れの将軍となった狼が皆のために法律を定めた。
 「もし何か手に入ったら、すべて公にして、皆に公平に分配する」と。そうすれば、ひもじい思いで共食いがなくなるだろう、と言うわけだ。
 そこへ驢馬が通りかかり、たてがみを振りながら言った。
 「狼の将軍は素晴らしい法律を定めましたね。ただ、昨日おれは見たよ。権力によって得たものを、こっそり懐にしまっていましたね。それはどういう訳ですか。」
 悪事のしっぽをつかまれた狼は、しばらくの間「記憶にない」と、とぼけていたが、証拠を突き付けられると、あっさり認め謝罪した。そして、その法律を廃止した。

 多くの国民は少ない収入で生活をやりくりしているが、その国民を下に見るように横柄な言動を行い、本当は誰がみても黒なのに、白だと言い続け、間違いを認めない、そして正さない。悪事がばれると批判を浴び、口先だけの謝罪を行い、本意でないふりをする。
権力を利用して人知れず懐を肥やす。まさに日本の政治家だ。
 国会のやり取りを見てほしい。この話そのものが現実に起きていることが分かるだろう。
 「記憶にない」ととぼける狼。自民党の裏金議員は、まさに「こっそり懐にしまっていた」狼の姿と重なる。理想を語りながら、実際には権力維持のために制度を曲げる――この寓話は、疲弊した政治制度そのものを突いているようだ。
 「狼の将軍は、理想を語った。だが、理想を語る者が最も危険なのは、それを盾にして自らの行動を免罪する時だ。

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