日本の昔話の教訓「猿正宗」のストーリー
むかし九州のある大名家の飛脚が、大切な手紙をもって東海道を旅していました。
途中、浜の方を見ると大きなタコが一匹、何かを海の中へ引き込もうとしていました。
良く見ると、猿が引き入れられないように、岩の角にしっかりとしがみついています。
飛脚は助けてやろうと思い、荷物を道端に置いて、磯の方へ向かい、脇差でタコを切りつけますと、猿を放して海の中へ入って行きました。
その猿は、こちらへ近寄ってくる様子でしたが、道端に置いてあった手紙を入れてある書状箱を担いで、山へ逃げてしまいました。
しばらく猿の後を追いかけましたが、姿が見えなくなりました。
途方にくれて峠の中ほどで休んでいると、遥か向こうの山に同じ猿の姿が現れたのです。
片手には書状箱、片手には長い包みのようなものを持っています。そして、だんだん近づいて来て、二品を前に置くと帰って行きました。
猿はお礼を持って来る間、待っていてもらうために、書状箱を一時持ち去ったのでした。
飛脚は書状箱が帰ってきたので安心し、今一つの方を開けてみると、一振りの刀でした。
江戸についてから、これを目利きに鑑定してもらうと、紛れもない五郎正宗の名作だったそうです。
これを殿様に献上すると、手厚いご褒美を賜り、その名刀は猿正宗と名付けられ、長くお家の宝になったそうです。
教訓
良い行いは人生の流れを良くします。
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