イソップ寓話の教訓No.337「ライオンと狐と猿」

本当の解決は自分の行動で!

ストーリー

 人間たちの生活と張り合おうとしたライオンが、自分を一流と認めた者たちに、手厚く持てなそうと努めた。

 ライオンの洞窟では、あらゆる種類の動物が、優雅な振る舞いを受けるために、群れになって訪れた。ライオンは礼儀正しく、心のこもった食事を、全員が満足するほど振舞った。

 ライオンは、友人の狐を同居させていて、その共同生活は良好だった。しかし、肉の切り分け係は、年老いた猿にさせていた。

 この猿は、たとえ初めての客であっても、ライオンが狩ってきたばかりの新鮮な獲物を、ライオンにも、初めての客にも、同じだけ盛り付けた。

 それなのに、狐は古い肉の、それも不公平としか思えないほど、少ない量しかもらえなかった。

 そこで狐は一計を案じ、ライオンの前でわざと黙り込み、食事にも一切手を付けなかった。

 それを見たライオンは、狐に尋ねた。
「狐君、何をすねているのだい?さあ、食事を一緒に食べよう。」

 狐は言った。
「ライオン様、私は今の状況に苦しめられています。まして将来の事を想像すると涙が出てきます。毎日のように新しい客が来て、それが習慣になっていますから、だんだん古い肉さえ、私には配っていただけないでしょう。」

 ライオンは笑って言った。「その苦情は猿に言ってくれ!」

 自分の不満を権力者の力を借りて解消することは少なからず誰にでも思い当たるはずだ。兄弟の不満を親のちからで何とかしてもらいたい、友だち同士の不満を先生のちからで何とかしてもらいたい・・・等々。残念だが本当の意味での解決は出来ない。本当の解決は自分で何とかするしかないのだ!


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