No.017「尻尾のない狐」

 狐が罠にかかって尻尾を切り取られた。誰にも見せられないほど恥ずかしいので、他の仲間も同じにしてやれば良いと考えた。
 こうして全員を集めると「こんなものは不細工なだけでなく、余計な重さにもなる」と言って、尻尾を切るように勧めた。すると中の一匹が話を遮っていった。
 「おい、おい、尻尾のないことが都合が良いなら、勧めるはずはないだろう!」

 自分の欠点や失敗を正当化するために、他人にも同じ不利益を押しつけようとする者の言葉は「善意」ではなく、ただの自己保身である。
 利害が絡む場面での“もっともらしい忠告”ほど疑ってかかれ、という冷徹な洞察が込められています。

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