No.015「狐と葡萄」

 お腹をすかせた狐が、枝から垂れ下がる葡萄の房を見つけて、取って食べようと考えた。ところが、何度とびはねても葡萄に届かない。あきらめて立ち去ることにした。立ち去り際に狐が言った。
 「あの葡萄は、まだ熟していない」

 この話は、イソップ寓話の中でも特に有名な一編です。
 「手に入らないものを、価値がないと見なして自分を慰める心の弱さ」これが物語の中心にあります。
 狐は本当は葡萄が欲しい。でも届かない。その現実を認める代わりに、「あれは熟していない」と価値を下げて立ち去る。
 つまり「欲しいのに手に入らない時、人は対象そのものを貶めて心を守ろうとする。」という心理を鋭く描いています。
 手に入らぬものを貶めても、心は強くなりません。

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