カテゴリー: イソップ寓話

イソップ寓話にまつわる教訓を掲載

  • イソップ寓話の教訓NO.49「仔牛を盗まれた牛飼いとライオン」

    何が幸福で何が不幸かは後になってみないとわからない

    ストーリー

     牛飼いが牛の群れを放牧していて、子牛を見失った。

     探し回っても見つからないので、ゼウスに祈って「盗人が見つかったら仔山羊を捧げる」と約束した。

     森の茂みに入って行くと、ライオンが子牛をむさぼり食っているのが見えた。

     牛飼いはきもをつぶし、両手を天に差し上げて言うには、

     「おおゼウスよ!先ほどは盗人が見つかったら仔山羊を捧げると約束しましたが、今は盗人の手から逃げおおせたら牛を捧げます。」

    今が本当に不運なのか。さらに大きな不運に見舞われた時に、取るに足らなかったことだと実感する。長い人生、何が幸福で何が不幸かは後になってみないとわからない。

    仔牛を盗まれた牛飼いライオン
    イソップ寓話の教訓No.49「仔牛を盗まれた牛飼いとライオン」
  • イソップ寓話の教訓No.46「北風と太陽」

    自主性を促すなら穏やかに諭す

    ストーリー

     北風と太陽がどちらが強いか言い争いをした。道行く人の服を流せたほうが勝ちにすることにして、北風から始めた。

     強く吹き付けたところ、男はしっかりと服を抑えるので、北風は一層勢いを強めた。しかし強く吹けば吹くほど、寒さで服を着こむばかりで、北風も次第につかれ果て、太陽に番を譲った。

     太陽は、はじめ穏やかに照りつけたが、男が余分な服を脱ぐのを見ながら、次第にジリジリと照りつけると、男はついに暑さに耐えかね、傍らを流れる川に水浴びにとんで行った。

    自主性を促すなら、強制するよりも、穏やかに諭すほうが有効なことが多い。

    北風と太陽の画像
    イソップ寓話の教訓No.46「北風と太陽」
  • イソップ寓話の教訓No.45「牛と車軸」

    他人の働きを自分の苦労のように見せかける人

    ストーリー

     牛が荷物を曳いていた。

     荷車の車軸がキシキシと鳴るので、牛が言った。

    「重い荷物を運ぶのは俺なのに、なんでお前が悲鳴をあげるのだ!」

    他人の働きを自分の苦労のように見せかける人が居る。この人の人間性について、みんな黙っているが、みんな知っている。

    牛と車軸の画像
    イソップ寓話の教訓No.45「牛と車軸」
  • イソップ寓話の教訓No.91「じゃれつく驢馬と主人」

    主人に可愛がってもらうマルチーズ犬の真似をした驢馬の愚行

    ストーリー

    マルチーズ犬と驢馬を飼う人がいた。

    主人が遊んでくれるのは、いつも犬ばかり。よそで食事をした時には、お土産を持ち帰り、しっぽを振って出迎える犬に投げ与えた。

    驢馬はこれを羨んで主人に駆け寄ると、飛び跳ねて蹴ってしまった。

    怒った主人は、驢馬を叩きのめし、柱につないでしまった。

    誰でも得意や不得意がある。真似ではなく自分の得意な方法でおこなうべきだ。

    じゃれつくロバと主人の画像
    イソップ寓話の教訓No.91「じゃれつく驢馬と主人」
  • イソップ寓話の教訓No.90「蝮と水蛇」

    掛け声ばかりの人に期待してはいけない

    ストーリー

     蝮がいつもやって来ては水を飲む泉があった。ここに住む水蛇は、蝮が自分のえさ場に満足せず、他人の縄張りまで押しかけて来ることに腹を立て、その都度邪魔をしようとした。

     だんだん争いがひどくなるばかりなので、二匹は決闘をして、勝ったほうが土も水も自分の領分にすることに決めた。

     戦いの日が決まった時、水蛇を憎むカエルたちが蝮のところへやって来て、助太刀を約束して激励した。

     さて、いよいよ決闘が始まると、蝮は水蛇を攻め立てたが、カエルは何もせず、ただ大声で鳴いているだけだった。

     蝮は勝ったが、カエルを非難した。「お前たちは助太刀を約束したくせに、少しも助けなかったばかりか、歌など歌っていたではないか。」

     するとカエルたちは、「いいですか、私たちの加勢は手でするのではなく、声だけでするのです!」

    掛け声ばかりの人に期待してはいけない。そのうち誰からも信用されなくなる。

    イソップ寓話の教訓No.90「蝮と水蛇」
  • イソップ寓話の教訓No.87「金の卵を産む鵞鳥(ガチョウ)」

    強欲は今あるものさえ奪う!

    ストーリー

     ヘルメスを崇拝する男がいたので神は褒美として、金の卵を産む鵞鳥を授けた。

     鵞鳥は毎日ひとつ、金の卵を産んだ。金の卵は高い値段で売れた。

     男は、もっと多くの金の卵があれば、さらに金持ちになれると考えた。そこで鵞鳥の中に金の卵がたくさんあるはずだと思い込んで殺してしまった。

     鵞鳥の中に金の卵は無く、金の卵を産むガチョウも無くしてしまった。

    ※ヘルメス:主神ゼウスの末子。富と幸運をもたらす神。

    強欲は今あるものさえ奪う。

     長期的に利益を得続けたいなら利益を生み出す資源(金の卵)も大切にするべきだ。
     金の卵は高い潜在的能力をもつ人材、商品、企画、将来高値が見込まれるコレクションなど様々なものがありそうだ。
     もしかすると、自分自身が自分の金の卵かもしれない。あなたは自分の価値に気づけるか?気づいたら磨き続けることができるか?忘れてはならないことは「もっと、もっと」と強欲は避けねばならないことだ。
     自分への投資は決して裏切らない!

    イソップ寓話の教訓No.133「肉を運ぶ犬」