ストーリー
夏の盛りの真昼どき、旅人たちは猛暑にぐったりしていたが、プラタナスを見つけたので、その下の木陰にもぐり込み、横になって一息入れていた。
そして元気を取り戻すと、プラタナスを見上げつつ「この木は人間にとって何と役立たずなんだ、実もつけないし」と言い合った。
するとプラタナスが遮って言うには、
「この恩知らずめ!木陰という私の恩恵にあずかっている今でさえ、実無しの無用者と呼ぶのか。」
身近にある有難さは忘れがちになる。

イソップ寓話にまつわる教訓を掲載
ストーリー
夏の盛りの真昼どき、旅人たちは猛暑にぐったりしていたが、プラタナスを見つけたので、その下の木陰にもぐり込み、横になって一息入れていた。
そして元気を取り戻すと、プラタナスを見上げつつ「この木は人間にとって何と役立たずなんだ、実もつけないし」と言い合った。
するとプラタナスが遮って言うには、
「この恩知らずめ!木陰という私の恩恵にあずかっている今でさえ、実無しの無用者と呼ぶのか。」
身近にある有難さは忘れがちになる。
ストーリー
仔羊が川で水を飲んでいるのを狼が見つけ、もっともらしい口実をつけて食べてやろうと思った。
そこで川上に立つと「お前は水を濁らせ、俺が水を飲めなくしてしる!」と仔羊に言いがかりをつけた。
仔羊は「ほんの唇の先で飲んでいるだけだし、川下にいるので川上の水を濁すことはできません」と言うと、
狼は「お前は去年、俺の親父に悪態をついたぞ!」と言った。
「一年前は、まだ生まれていません」と仔羊が言うと、狼は、
「お前が何と言おうと、俺はお前を食べると決めているのだ!」
すでに決まっている事には、どんなに正当な説明も無力です。
ストーリー
ライオンが寝ていると、鼠が体の上を走った。
ライオンは鼠を捕まえ、一飲みにしようとしたところ、鼠は命乞いして「助けてもらえるなら恩返しをします。」と言った。
ライオンは「こんなちっぽけな獲物だ!」と笑って逃してやった。
ほどなくしてライオンは、猟師に捕らえられ、ロープで木に縛り付けられた時のこと、鼠がうめき声を聞きつけて現れた。
鼠はロープをかじり切り、ライオンを解き放って言うには、
「あの時あなたは、私の恩返しをあてにできぬとばかり、笑って馬鹿にされましたが、分かっていただけましたか?鼠にも恩返しはできるのです!」
今は役に立たなくても、いずれ役に立つときは必ず来る。貸しは、つまらないことで返してもらわないこと。重大な時の恩返しは、今後の人生に関わることもあるのだ。
他人の不幸は人を賢くする!
ストーリー
ライオンと驢馬と狐が仲間になって狩りに出かけた。
獲物がどっさり捕れたので、ライオンは驢馬に命じて分けさせた。
驢馬は三等分を作り、ライオンに好きなのを選ぶよう促したところ、ライオンは激怒して驢馬に跳びかかるや、食べてしまった。
次に狐に分配を命じた。狐は三等分に分けた獲物を一つに集め直し、自分のためには少しだけ取りのけて、残りすべてをライオンに取るよう勧めた。
「誰がこの分け方を教えた?」とライオンが聞くと、
狐は「驢馬の災難です。」
他人の不幸は人を賢くする。
あなたは驢馬になっていないか?
まじめで働き者で真っすぐな性格の驢馬は、ライオン上司とずる賢い狐の同僚と一緒に働いている。
ある時、ライオン上司は、経営者に認めてもらうため、極端なノルマを驢馬と狐に命令した。そうしたところ、その命令に納得できない真っすぐな性格の驢馬は、ライオン上司に達成不可能な理由を述べ、ノルマの変更を申し出た。
ライオン上司は驢馬の申し出を却下し、心なのかで思った。「いちいち、うるさい奴だ!そんなことはわかっている。イライラさせないで黙ってやれば良いのだ。少しは俺の立場を考えろ!」
その一部始終を見ていた同僚の狐は、驢馬のことを「馬鹿なやつだ。あいつがライオン上司の機嫌を損ねたおかげで、おれの評価が上がるのだ!」と独り言で罵った。
ライオン上司は以後、ロバに厳しい評価を下すようになった。
そして、翌年の春には、キツネは課長に昇進し、ロバはうつ病を発症し休職することになった。
サラリーマンはサバイバルだ。賢く生き残れ!
・・・イソップ寓話の教訓No.391「船主と船乗り」へつづく
※類似教訓
イソップ寓話の教訓No.79「猫と鼠」
ライオンと狐の知恵くらべの話
ストーリー
ライオンが年をとって、腕力では餌を撮れなくなったので、頭を使わなければならないと考えた。そこで洞穴に入って横になり病気のふりをしながら、見舞いにやって来た動物たちを捕まえては食っていた。
たくさんの動物が餌食にされたが、狐はライオンのたくらみを見透かして、洞穴から遠く離れてご機嫌伺いをした。
ライオンは「どうしてお前は洞穴の中に入ってこないのだ?」と訳を尋ねると、
狐は答えて「入って行く足跡は多いが、出て行く足跡は一つもありませんから。」
危険は「ある」と思う人にしか見えない。
ストーリー
蟹が海から這い上がってきて、独り砂浜で餌をあさっていた。腹を空かせた狐がこれを見つけ、食い物に困っていたので、駆け寄るなり捕まえた。
蟹がまさに食われようとして言うには、
「当然の報いだ。海の者が陸の餌を取ろうとしたのだから。」
本業を捨てて違うことに手を出す者は、失敗しても当然と思う気持ちで始めなければなりません。