投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.53「兄弟喧嘩する農夫の息子」

    内輪もめは負けのもと!

    ストーリー

     農夫の息子たちが喧嘩ばかりしていた。いくら言って聞かせても言葉ではとうてい改心してくれないので、行いで教え込むしかないと悟り、棒の束を持って来るように命じた。

     息子たちが言いつけどおり持って来ると、農夫はまず、棒を束のまま渡して、折ってみろと言った。いくら力を入れても折れないので、今度は束をほどき、棒を一本ずつにして渡した。

     息子たちは簡単に折っていくのを見て、農夫は言った。「良いか、お前たちも心を一つにしている限り敵も手が出せまい。しかし内輪もめしていると容易に敵の手に落ちるぞ!」

    内輪もめは負けのもと。家族でも、会社組織でも同じ。

  • イソップ寓話の教訓No.44「王様を欲しがる蛙」

    支配者は愚図でも悪さをしないほうがマシだ!

    ストーリー

     自分たちに支配者がいない事を苦にした蛙たちが、ゼウスの所へ使者を送って「王様を授けてください」と頼んだ。

     ゼウスは蛙たちが愚かなのを見透かして、池に木切れを放り込んでやった。

     蛙たちは、ポチャンという水音に驚いて池の深みに隠れたが、木切れが動かないので、水面に上がってくると跳びのって座り込み、すっかり木切れをバカにした。

     「動かない王様しか持てないのは心外だ」と蛙たちは再びゼウスを訪ね、「最初の王様はあまりのも愚図なので、取り換えてほしい」と頼んだ。

     すると、ゼウスは大いに腹をたて水蛇を遣わしたので、今度は蛙たちが捕まって食われてしまった。

    支配者は愚図でも悪さをしないほうがマシだ。職場の管理者は仕事が出来なくても、嘘をつかず、ハラスメントをしないほうがマシだ。

  • イソップ寓話の教訓No.43「水を探す蛙」

    将来を考えて行動の可否を判断をする!

    ストーリー

     蛙が二匹、池の水が干上がったので、安住の地を求めてさまよい歩いた。

     とある井戸のほとりまで来た時、せっかちな一匹は「跳びこもう」と言った。

    相棒がそれに答えて言った。
    「もしこの水も干上がったら、どのように上がるのだい?」

    将来を考えて行動の可否を判断をするべきだ。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.9「井戸の中の狐と山羊」

  • イソップ寓話の教訓No.35「人間とサテュロス」

    相手に対する理解が無いと友情は育めない!

    ストーリー

     ある時、人間がサテュロスと友情を結んだ。やがて冬が来て寒くなった時、人間は両手を口の前へ持って行き、息を吹きかけた。

     「何のためにそのような事をするのだい?」とサテュロスから尋ねられて、「冷たい手を温めるためだ」と人間は答えた。

     その後、二人が食卓を囲んだ時の事、料理が大変熱かったので、人間は少しづつ口へ持って行き、息を吹きかけて冷ました。

     「なぜそのような事をするのだい?」と再びサテュロスから聞かれて、「料理が熱すぎるので冷ますのだ」と答えたところ、サテュロスはこう言った。

     「同じ口から熱いものと冷たいものを吐き出すような奴との友情はここまでだ!」

    ※サテュロス:山羊の耳と尾を持ち、上半身は人間、下半身は馬の姿をしている山野に住む精霊。

    相手に対する理解が無いと友情は育めない。

  • イソップ寓話の教訓No.34「出来ないことを約束する男」

    出来ないことを約束しても願いは叶えられない

    ストーリー

     貧しい男が病に臥せって、とうとう医者からも見放された。そこで、神々に祈り「完治の際には、ヘカトンベーの供養を行い、たくさんの奉納品を献上します」と約束した。

     側にいた妻が聞きとがめて
    「まあ、そんなにたくさんのお礼をどうやって準備するの?」と聞くと、男は答えた。

     「神々にそんなお礼を要求させるために、俺が良くなるとでも思っているのか?」(病状が良くなるわけないから、お礼はいらないのさ!)

    ※ヘカトンベー:生贄、百牛犠牲

    貧しい男の内心
    病状が良くなるわけないから、お礼はいらない!
    神々の内心
    出来ないことを約束しているので、願いは叶えてあげない!
    ※出来ないことを約束しても願いは叶えられない。

    ※類似の教訓
    イソップ寓話の教訓No.5「借金のあるアテナイ人」


    イソップ寓話の教訓No.28「食わせ者」

  • イソップ寓話の教訓No.33「法螺吹(ほらふき)」

    大げさな自慢は尻尾をつかまれ恥をかく!

    ストーリー

     国ではいつもケチをつけられていた五種競技の選手が、海外遠征に出かけた。

     しばらくぶりに戻ってくると、大言壮語して「あちこちの国で有名をはせたが、特にロドス島では、オリンピア競技祭の優勝者でさえ届かぬほどのジャンプをしてやった!もしもロドス島へ出かけることがあれば競技場に居合わせた人が証人になってくれるだろう」と言った。

     それを聞いていた一人が言った。「おい、それが本当なら証人はいらない。ここがロドス島だ。さあ跳んでみせてくれ!」

    ※五種競技:走幅跳び、円盤投げ、短距離走、やり投げ、レスリング
    ※ロドス島:エーゲ海南部のアナトリア半島沿岸部に位置するギリシャ領の島
    ※オリンピア競技祭:古代ギリシアのエーリス地方、オリンピアで4年に1回行われた当時最大級の競技

    大げさな自慢は尻尾をつかまれ恥をかくことになる。