投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.146「鼠に怯(オビ)えたライオン」

    小さなことでも甘く見てはいけない!

    ストーリー

     ライオンが寝ていると、鼠が体の上を駆け抜けた。ライオンは起き上がり、鼠を探して、そこら中くるくる回った。狐がこれを見て「ライオンのくせに鼠を怖がった!」と非難した。
     するとライオンは答えて、
    「鼠に驚いたのではない!眠るライオンの上を走る度胸のある奴がいたのに驚いたのだ。」

     ライオンが驚いたのは、自分の上を駆け抜けるほど大胆な行動に出た「小さな者の度胸」だ。大きさ、権力、資産の大小に関係なく行う「勇気や挑戦」に価値があるのだ。弱者でも権力者を動かせる力を持ちうるというメッセージを読み取ろう。
     小さな挑戦や小さな勇気は、時として権力者さえ動かすことでもできる。小さき者の行動が秩序を揺らす瞬間こそ、変革の種が生まれるのだ!

     たとえ、どんな相手でも甘く見てはいけない。

    類似教訓
    グリム童話の教訓「釘」

  • イソップ寓話の教訓No.133「肉を運ぶ犬」

    比較するなら過去の自分と!

    ストーリー

     犬が肉をくわえて橋を渡っていた。

     川をのぞき込むと、水面に写った自分の影を、てっきり別の犬がもっと大きな肉をくわえていると思った。

     相手の肉を奪ってやろうと自分の影に向かって吠えたてた。すると、くわえていた肉はポチャンと音をたてて川に落ち、流されて行った。

     他人と自分を比較しても現状が良くなることは無い。比較するなら過去の自分とすることだ!

     自分軸を持っている人は、自分自信の価値観こそが大事で、他人と自分を比較しません。世の中の常識や流行、経済的に有利かどうかなどは二の次です。判断の基準は自分の価値観にあるので、人から何を言われようが気にしません。だから強い心を持つことが出来るのではないでしょうか。強い心を持つと周囲に振り回されなくなります。
     だから、強い心を持つためには他人と自分を比較しないことが大切です。
     そして自分自身が唯一無二の貴重な存在であることに気づきましょう自分は唯一無二、そして他人もそれぞれが唯一無二の存在です。それに加え、他者の価値観にも耳を傾けられれば、より成熟した心の強さになるでしょう。自分と他人の違いは気にしなくて良いのです。

    類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.87「金の卵を生む鵞鳥(ガチョウ)」

  • イソップ寓話の教訓No.122「泥棒と雄鶏」

    正しい人に役立つものは、悪人には都合が悪い!

    ストーリー

     泥棒どもが家に忍び込んだが、雄鶏一羽の他は何も見つからなかったので、これを奪って引き上げた。

     雄鶏は彼らに殺されそうになって「どうぞ逃がしてください。自分は暗いうちから人間を仕事へたたき起こす、役に立つ鳥なのです」と頼んだ。

     すると泥棒は「だから尚のこと殺してやる。奴らを起こすのは盗みの邪魔になるからな。」

    正しい人に役立つものは、悪人には都合が悪い。

     役に立つものが、全ての場面で評価されるとは限らない。たとえ、正義や真実でも、体制にとって都合が悪ければ抑圧さたり排除される。
     これは現代の政治や職場でも同じこと。正しさが不都合となる場面では、「正しさ」を貫くには覚悟と戦略が必要だ。

     あなたは、利益優先の既得権益層、不正体制、腐敗した構造において、告発者になれるだろうか?

  • イソップ寓話の教訓No.113「鮪と海豚(イルカ)」

    相打ち!

    ストーリー

     鮪が海豚に追われ、今にも捕まりそうになって、あまりに強く飛び跳ねたため、うっかり浜に乗り上げてしまった。

     しかし海豚も、同じ勢いで突っ込んできたため、一緒になって陸に乗り上げてしまった。

     鮪は、苦しそうにしている海豚の方をみて言った。
    「これでもう死んでも辛くない。俺の死の原因になった奴も一緒に死んで行くのだから。」

     自分を不幸にした原因となった者が不幸に陥るのなら、自分の不幸に耐えることができる。
     感情の応酬が冷静さを失わせ、結果として双方が破滅する。これは個人間でも、国同士や組織同士にも通じるものがあるだろう。
     クリントイーストウッド主演・監督の「グラン・トリノ」という映画は、この教訓をよく表していると思う。

    ※類似教訓
    イソップ寓話の教訓No.68「敵(カタキ)同士」

  • イソップ寓話の教訓No.111「ヘラクレスとプルトス」

    富は正直者や善人の所ばかりへ行かない!

    ストーリー

     ヘラクレスは神の列に加えられ、ゼウスの館で手厚くもてなされた時、一人一人の神様に実に愛想よく挨拶をした。ところが、最後にプルトスが入ってくると、背中を向けてしまった。

     ゼウスは、これを不審に思い「どの神々にも機嫌よく語りかけながら、ひとりプルトスを冷遇するのはなぜか?」と尋ねたところ、ヘラクレスが言った。

     「私が白い目で見るのは、他でもありません。人間の世界にいた時、あいつは大抵、悪人と一緒にいるからです。」

    ※ヘラクレス:波乱万丈な一生を遂げたギリシャ神話の怪力を持った英雄
    ※プルトス :収穫と富の神。盲目であるため悪人の元へも行く。

     富は正直者や善人の所ばかりへ行かない。かえって悪人やずる賢い者の所へ行く傾向があるのだ。これは制度や慣習が富の偏在を許しているからとも言えるだろう。悔しいが事実である。

  • イソップ寓話の教訓No.101「黒丸烏と鳥たち」

    勝負は自分の実力で!

    ストーリー

     ゼウスは鳥たちの王様を立てようと思って、皆に集まる日を指定した。

     黒丸烏は自分が醜いことを知っていたので、あちこち歩き回り、鳥たちが落とした羽を拾い集めて、全身に貼り付けた。

     その日になり、錦をまとった黒丸烏はゼウスの前にやって来た。

     ゼウスがその美しさゆえに彼を王様に推挙しようとしたところ、怒った鳥たちは黒丸烏を取り囲み、めいめい自分の羽根をむしり取った。

     こうして黒丸烏は元に戻ってしまった。

     借り物の美しさで得た称賛は、真実の前では剥がれ落ちる。自分自身の価値を磨くことこそ、真の王者への道だ。
     見栄を張るより、素直に学べ。「できるようになろうとする姿勢」こそ大事だ!