投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.48「ナイチンゲールと蝙蝠」

    トラブルに会ってから行動を変えても遅い!

    ストーリー

    窓辺につるされたナイチンゲールが、夜になると歌を歌っていた。

    蝙蝠が歌を聞きつけ、近くに来て「昼間は静かにしているのに、なぜ夜になると歌うのか?」と訳を尋ねた。

    ナイチンゲールは「これには深い訳があるのです。ある日、昼間に歌っていて捕まったので、それ以来、昼間に歌うのは懲りたのです」と答えると、

    蝙蝠が言うには、
    「今ごろ警戒しても始まらないよ。捕まる前にすべきだ!」

    困難に会ってから行動を変えても遅い、油断禁物だ。
    窓辺につるされた鳥籠から知恵と行動力で飛び立つ鳥がいるように、万一困難にあっても克服する気概を持ちたいものだ。

    ナイチンゲールと蝙蝠の画像
    イソップ寓話の教訓No.48「ナイチンゲールと蝙蝠」
  • イソップ寓話の教訓No.47「内臓を吐く子供」

    欠乏感は増幅する!

    ストーリー

    野原で生贄の牛を焼く人達が隣人を招いた。その中に貧しい女がいて、腹を空かした子供も一緒にやってきた。宴会が行われているあいだずっと、この子供はもつ焼きを食べ続けていたので、お腹がはちきれんばかりに膨らんだ。
    子供は「お母さん、内臓を吐きそうだよ」と言うと、
    母親が答えて言うには、
    「坊や、それはお前の内臓ではなくて、お前が食べた牛の内臓だよ。」

    欠乏感は増幅する。自分の中に生まれた欠乏感は「欲しい欲しい、足りない足りない、もっともっと」と、求めてもがきまわる。
    必要以上に詰め込んで、出すときは自分の身を削るがごとく感じてしまう。

  • イソップ寓話の教訓No.66「少年と肉屋」

    言葉だけの取り繕いは信用を無くす!

    ストーリー

    二人の少年が肉屋に入って行った。肉屋がむこうを向いている隙に、一人がもも肉をくすね、もう一人の懐に放り込んだ。

    肉屋が向き直ると、もも肉がなくなっていた。肉屋は「お前らだろう」と言うと、盗んだ少年は持っていないと誓い、持っている少年は盗んでいないと誓った。

    肉屋は二人の悪だくみに感づいて言うには

    「嘘を言ってこの場を逃れたとしても、神々からは逃げられないぞ!」

    言葉だけ取り繕っても不法行為に変わりはない。

    少年と肉屋の画像
    イソップ寓話の教訓No.66「少年と肉屋」
  • イソップ寓話の教訓No.39「燕と鳥たち」

    先を見通し行動すること!

    ストーリー

    宿り木が育ち始めるや、燕はそれが鳥たちに及ぼす危険を察知して、鳥たちを残らず集めた。

    燕は「宿り木を宿す木を切り倒すか、それが出来なければ、人間の所へ助けをもとめ、宿り木の実から作った鳥もちで、自分たちを捕まえないよう頼んでおけ」と忠告した。

    「つまらないことを言うやつだ!」と鳥たちが一笑に付すので、燕は一人で人間を尋ね嘆願者となった。

    人間は燕が賢いことを知って向かえ入れ、一つ屋根の下で暮らすことを許した。

    こうして他の鳥たちは人間に捕らえられ食べられるが、燕だけは保護されて、人間の家でも安心して巣作りすることになった。

    ※宿り木:北海道から九州に分布し、エノキ、ブナ、ミズナラ、ケヤキやサクラなど落葉樹に寄生する。果肉はもちのように粘りがあり、鳥黐(とりもち)として、細いサオの先に塗って、小鳥や昆虫の捕獲に使われた。

    教訓
    先を見通す”感”を養うことだ。先を見通す”感”を養うために経験や努力も必要になるから常に先を読むように心がけること。先を見通し正しい判断を下せる能力があれば、人の上に立てるはずだ。

    この物語に出てくる燕のように皆に笑いものにされても、自分を信じて行動することで生き残ることもできる。

    燕と鳥たちの画像
    イソップ寓話の教訓No.39「燕と鳥たち」
  • イソップ寓話の教訓No.26「水を打つ漁師」

    相手の立場で考える!

    ストーリー

    漁師が川で漁をしていた。まず、流れの両岸に差し渡して網を張っておき、紐に括りつけた石で水を打った。驚いて逃げる魚が網にかかるというものだ。
    ところが、これを見ていた近所の人が「澄み切った川を濁し、水を飲めなくするものだ!」と苦情を言うので、漁師は答えて、
    「しかし、こうやって川を打たないと、おれが飢え死にしてしまうよ!」

    相手の立場で考える。人はそれぞれ自分が正しいと思う立場をとり、それを正当化する。ある問題で意見が対立したときは、相手を批判するときは用心して控えめにすることが賢明だ。相手の立場から問題を見れば、相手を非難することも、こちらを擁護することも難しいはずだ。

    水を打つ漁師の画像
    イソップ寓話の教訓No.26「水を打つ漁師」
  • イソップ寓話の教訓No.8「造船所のイソップ」

    愚かな人に惑わされてはいけない

    ストーリー

    ある時、寓話作家のイソップは造船所へ行った。船大工たちが彼をからかって、言い返さずにはいられぬように仕向けたので、イソップはこんな話をした。

    その昔、カオスと水が生じたが、ゼウスは土の要素も出現させたいと思い、三度海の水を飲みこむよう大地を促した。

    大地は仕事にかかると、まず最初に山々を現し、再び飲み込んで平野を露出させた。

    「もしも大地が三度目も水を飲みこむことをすれば、お前たちの仕事は無くなり何の役にも立たない者になるのだぞ!」

    愚かな人に惑わされてはいけない。人をからかう言動は、自分の戒めとなることがせめてもの救いである。

    イソップをからかった船大工。造船所のイソップの画像
    イソップ寓話の教訓No.8「造船所のイソップ」