イソップ寓話の教訓No.88「ヘルメスと彫刻家」

自己評価と他者評価のギャップ!

ストーリー

 ヘルメスは人間界でどれほど尊敬されているか知りたいと思い、人間に姿を変えて彫刻家の工房へ入って行った。
 ゼウス像を見つけて「値段はいくらかね?」と尋ねたところ
 「1ドラクメです」との答え。ずいぶん安いのでおかしくなり、
 「ヘラの像はいくらだ?」と聞くと、もっと高いという。
自分の像もあった。自分は神々の使者で利殖の神だから、さぞかし高い値段をつけているだろうと思い、重ねて尋ねた。
 「では、このヘルメス像は?」すると彫刻家が言うには、
 「さっきの2体を買ってくださるなら、おまけで差し上げますよ!」

※ドラクメ:ギリシャの通貨単位
※ゼウス:ギリシア神話の全知全能の神
※ヘラ:ゼウスの正妻、最高位の女神
※ヘルメス:青年神、利殖の神

 自分が重要だと思っていることが、他者にとってはそうでもないということは、よくある事だ。
 自己評価と他者評価は常にギャップがあると思え。そうすれば、他者評価が自分の思いに反して良くないとしても、気持ちの落ち込みは軽くて済む。

コメント

コメントを残す