イソップ寓話の教訓No.33「法螺吹(ほらふき)」

ストーリー

 国ではいつもケチをつけられていた五種競技の選手が、海外遠征に出かけた。

 しばらくぶりに戻ってくると、大言壮語して「あちこちの国で有名をはせたが、特にロドス島では、オリンピア競技祭の優勝者でさえ届かぬほどのジャンプをしてやった!もしもロドス島へ出かけることがあれば競技場に居合わせた人が証人になってくれるだろう」と言った。

 それを聞いていた一人が言った。「おい、それが本当なら証人はいらない。ここがロドス島だ。さあ跳んでみせてくれ!」

※五種競技:走幅跳び、円盤投げ、短距離走、やり投げ、レスリング
※ロドス島:エーゲ海南部のアナトリア半島沿岸部に位置するギリシャ領の島
※オリンピア競技祭:古代ギリシアのエーリス地方、オリンピアで4年に1回行われた当時最大級の競技

過去の栄光や他社の好評価を声高に叫ぶのはやめよう。そんなことをしていると、馬鹿にされるか、嫌がられるだけだ。
今、この場で示すことができなければ、真の実力者という証明にならない。昔の武勇伝を得意げに話す諸先輩方には、耳の痛い教訓だ。

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