イソップ寓話の教訓No.80 「蠅」

欲に溺れた者の悟り

ストーリー

 物置の中で蜜がこぼれたので、蠅が飛んできて舐めた。
 とても甘いので、このご馳走から離れようとしなかったところ、足がくっついてしまった。
 飛び立つこともできず、こぼれた蜜に溺れそうになって言うには、
「ああ情けない。ご馳走のために身を亡ぼすとは!」

 甘さに夢中になった蠅は、蜜から離れる判断力を失い、結果として命の危機に陥る。快楽は時に、判断力を麻痺させる。
 「もっと欲しい」が「もう戻れない」に変わる瞬間がある。
最初は些細な誘惑でも、深入りすれば抜け出せなくなる。
依存や執着の始まりは、いつも甘い。
周囲を見渡してみてほしい。
人生を狂わせた人がいなかっただろうか――
・ギャンブルに囚われ、経済基盤を失った人。
・高額報酬に惹かれ、抜け出せない環境に閉じ込められた人。
・「頑張り」を称賛され続け、身も心も削られた人。
欲に駆られた一瞬の判断が、破滅を招くこともある。
あなたは、どこまでが「甘さ」で、どこからが「罠」か、見極められていますか。

※類似教訓
イソップ寓話の教訓No.86「ミルテの繁みの鶫(ツグミ)」

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