掛け声ばかりの人に期待してはいけない
ストーリー
蝮がいつもやって来ては水を飲む泉があった。ここに住む水蛇は、蝮が自分のえさ場に満足せず、他人の縄張りまで押しかけて来ることに腹を立て、その都度邪魔をしようとした。
だんだん争いがひどくなるばかりなので、二匹は決闘をして、勝ったほうが土も水も自分の領分にすることに決めた。
戦いの日が決まった時、水蛇を憎むカエルたちが蝮のところへやって来て、助太刀を約束して激励した。
さて、いよいよ決闘が始まると、蝮は水蛇を攻め立てたが、カエルは何もせず、ただ大声で鳴いているだけだった。
蝮は勝ったが、カエルを非難した。「お前たちは助太刀を約束したくせに、少しも助けなかったばかりか、歌など歌っていたではないか。」
するとカエルたちは、「いいですか、私たちの加勢は手でするのではなく、声だけでするのです!」
カエルたちは「声だけの支援」で自らの安全な立場を守りながら、蝮に期待と責任だけを押しつけた。
これは、表面的な連帯や支援がいかに構造的な欺瞞となり得るかを暴く寓話である。
掛け声ばかりの者に期待してはならない。やがて誰からも信用されなくなるだろう。
・SNSで「応援しています」と言いながら、実際には何も行動しない人々。
・会議で賛同の声を上げながら、責任は取らない同僚。
そんな「声だけの支援」が、闘う者を孤立させることがある。この寓話は、そうした構造的な欺瞞を静かに暴いている。
コメントを残す