イソップ寓話の教訓No.24  「腹のふくれた狐」

構造は入口を用意するが、出口は個人の責任

腹のふくれた狐

 腹をすかせた狐が、木の洞穴に、羊飼いの置いていったパンと肉を見つけ、中に入って食べてしまった。
 腹がふくれ外に出られずに嘆き悲しんでいると、別の狐が通りかかり嘆き声を聞きつけると近づいて訳を訪ねた。
 そして事の次第を聞くと、中の狐に言った。
「入った時と同じ状態になるまで、そこに居ることだ。そうすれば簡単に出られるさ!」

 空腹の狐が洞穴に入り、羊飼いの置き忘れた食べ物を食べて満腹になる。しかし腹が膨れて洞穴から出られなくなり、嘆き悲しむ。
通りかかった別の狐が事情を聞き、「入った時と同じ状態になるまで待てば出られる」と助言する。
 満腹になったことで、狐は洞穴という“自由のない空間”に閉じ込められてしまった。欲望に任せて行動すると、自由を失うことがあるという教訓だろう。
 洞穴は食べ物という成果を与えたが、出口という自由は保証しなかった。つまり、構造が成果を吸収する一方で、次の一手は狐自身が設計しなければならなかったのだ。
 組織構造もまた、成果を出すための器としては機能するが、キャリアの出口や次のステージへの道筋は、個人が自ら設計しなければならない。その点で、この寓話は現代の働き方と深く重なっている。
 成果を出すことに満足するのではなく、その先にある出口や次の挑戦を見据える視点こそが、自由を守る鍵となる。

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