日本の昔話の教訓「金の椿」

寛容さを持つ!

ストーリー

 むかし、ある国に短気な殿様がありました。

 ある日、宴会が夜遅くまでつづき、宴席に居た奥方が思わずあくびをされたところ、大事な宴席で恥をかかされたと殿様は大変怒り、奥方を一人船にのせて島流しにされました。

 船は波に流されて、小さな島に流れ着きました。奥方は島人に助けられ、島の暮らしを送ることになったのです。


 間もなく、殿様のお子を産みました。その子は、島の子供と同じように育てられ十二歳になったころ、自分には父がいない訳を母に尋ねました。

 ことの次第を聞いた子供は、父に会いに行くといって、すぐに旅立ちました。

 やがて父のいる城の近くにくると、椿の花が咲いていました。子供は何を思ったか、その枝を折り、城の門の前で「金の椿はいらぬか」と大声で叫びました。

 その声を聞きつけた殿様が「その者を連れてまいれ」と仰せられ、家来が連れてくると、男の子が普通の椿の枝を持っているので「その方、このようなものを金の椿とふれ歩くのは、ふとどきものぞ!」ととがめました。

 男の子はそれに答えて「これはあたりまえの枝に見えますが、決してあくびをしない人が植えれば金の花が咲くのです!」

 殿様は「この世の中にあくびをしない者があろうか」と笑うと、男の子は「殿様は夜遅くの宴席であくびをされた奥方を島流しにされたではありませんか!」と言いました。

 殿様は、一時の短気で奥方を罪にしたことに気が付き、奥方を島から呼び寄せ三人で暮らしたということでございます。

他人の些細な失敗や罪は広い心で許す寛容さを持つことが大切です。感情をコントロールして落ち着いていると信頼されます。

金の椿の画像
日本の昔話の教訓「金の椿」

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