イソップ寓話の教訓No.67  「旅人と斧」

手柄を独り占めするなら責任も負え!

ストーリー

 二人の男が一緒に旅をしていた。
 一人が斧を見つけたので、もう一人が「俺たちは見つけた」と言ったところ、はじめの男は「俺たちは見つけた、ではなく、君が見つけた!と言うべきだ」と注文をつけた。
 しばらくすると、斧をなくした人が追って来た。
 斧を持つ男は追いかけられて、道連れに向かって「俺たちはもうだめだ」と言ったところ、
 「俺たちは、ではなく、君がもうだめなんだ。君は斧を見つけた時だって、自分の手柄にしたくせに。」

 この寓話は、組織や社会の中でも頻繁に見られる構図を映し出している。
 成果は独占するが、損失は「みんなの責任」として分散する、
──そんなリーダーは、どの職場にも少なからず存在するだろう。
 こうした態度は、信頼を損なうだけでなく、持続可能な関係性を根底から揺るがす。
 手柄を一人で抱えるなら、責任もまた一人で引き受けるべきだ。
 この言葉を、誰かに向けて心の中でつぶやいたことはないだろうか。

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