語られない真実とは!
ストーリー
二人の少年が肉屋に入って行った。肉屋がむこうを向いている隙に、一人がもも肉をくすね、もう一人の懐に放り込んだ。
肉屋が向き直ると、もも肉がなくなっていた。肉屋は「お前らだろう」と言うと、盗んだ少年は持っていないと誓い、持っている少年は盗んでいないと誓った。
肉屋は二人の悪だくみに感づいて、
「嘘を言ってこの場を逃れたとしても、神々からは逃げられないぞ!」
少年たちは「持っていない」「盗んでいない」と言うことで、形式的には嘘を避けているように見える。しかし、これは「真実の一部を語ることで全体を偽る」という典型的な詭弁だ。
嘘はついていないが、真実を歪める言い回しは、重要な情報を意図的に省略することで、相手に誤認を与える。契約でも、商品でも、情報の優位者が自ら利益になる事だけ開示したり、不利益なことは表示しなかったり、と頻繁に登場する。こうした構造は、制度や契約の設計においても頻繁に見られ、形式的な合法性の裏に倫理的な不誠実さが潜む。
そのような不誠実な行為は、たとえ一時的に成功しても、いずれ真理の前に露呈し、報いを受けることになる。
詭弁を見抜くためには、①何が語られていないかに注目する②言葉の曖昧さを明確にする③誰が得をするのか利益の所在を探る、の3点に着目が必要だ。
あなたの職場や身近な契約の中にも、語られていない真実は潜んでいないだろうか。
コメントを残す