イソップ寓話の教訓No.274 「善と悪」

幸運は遅れてやって来る!

ストーリー

 善は非力であったので、悪に追い立てられ、天に昇って行った。
 そしてゼウスに尋ねた。「人間の所に留まっているにはどうしたら良いか?」
 ゼウスは善に言った。「皆一緒になって訪ねるのではなく、一人一人で行くが良い。」
 このため、悪は人間の近くにいて絶えず襲ってくるが、善は天からゆっくりと下りて来るから、なかなか出会えない。

  不運は突然、集団で襲い掛かってくる。「一難去ってまた一難」という言葉のとおり、次々に起こり、しかも質が悪い。
 一方、幸運は一人ずつ、ゆっくりと天から下りてくるため、気づきにくい。誰もが、不運は続きやすく、幸運はめったに訪れないと感じたことがあるだろう。
 そんな時こそ、不運が自分に何を伝えようとしているのかを考えてみることだ。
 焦らず、忍耐強く待つこと。やがて、幸運は静かに降りてくる——そのように信じることが大切だ。
 不運の嵐の中で耳を澄ませば、遠くから善の足音が聞こえてくる。
 それは、あなたの静かな忍耐に応えるように、ゆっくりと近づいてくるのだ。

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