力で相手を押さえつけようとするのは逆効果!
ストーリー
ヘラクレスが狭い道を歩いていると、地面に林檎のようなものが落ちていた。踏みつぶそうとしたところ、それは二倍の大きさになった。さらに強く踏みつけ、こん棒で殴りつけた。
すると、ますます膨らみ、道をふさぐほどになったので、ヘラクレスがこん棒を投げ捨て、あっけにとられていると、アテナの女神が現れて言った。「ヘラクレスよ、止めるが良い。それは敵がい心であり、争いであるのだ。相手にせずほっておけば元のままだが、力で押さえつけようとすると、このように膨れ上がるのだ」
※アテナ:ギリシャ神話で技術、学芸、戦いなどをつかさどる女神。
争いを力で抑えようとするのは、むしろ逆効果である。
一方が力を使えば、相手も力で応じる。そうして憎しみは増幅し、争いは収まるどころか、ますます深まっていく。
ヘラクレスは「邪魔なもの=悪」と見なし、力で排除しようとした。しかしその行為は、対象をますます膨らませ、ついには道を塞ぐほどになってしまう。
そこへ現れたアテナはこう諭す――「争いは、力で抑えようとすると膨れ上がる。相手にせず放っておけば、元のままなのだ。」
つまり、敵意に敵意で応じれば、対立は拡大する。争いを鎮めるには、力ではなく、理解と距離、そして知恵が必要なのだ。
この話の続きが、次のようになれば争いは起きないだろ。
ヘラクレスはこん棒を捨てた。だが、道は塞がれたままだった。
そこで彼は、林檎のような塊に近づき、静かに語りかけた。
「お前は争いの象徴だ。だが、私は争わない。私は、別の道を探す。」
すると塊は、少しずつしぼみ、地面に吸い込まれていった。争いは、力に反応する。だが、居場所を失うのだ。
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