イソップ寓話の教訓No.391「船主と船乗り」

大きな損害を避けるために、目の前の小さな損害を選ぶ!

ストーリー

 船主があるとき海に出たところ、大変な嵐に会ってしまった。

 船乗りは、嵐のため(船が転覆しないように)漕ぐ手を緩めたところ、船主は「おい、お前たち、船をもっと早く漕がないと石を投げるぞ!」と言った。

 それに対し船乗りは答えた。「石が拾えるところに居たい!」

大きな損害(転覆)を避けるためには、目の前の小さな損害(到着の遅れ)を選択しなければならない時がある。

イソップ寓話の教訓No.149「ライオンと驢馬と狐」の続き・・・

 さて、メンタル不調をおこした驢馬。
 半年ほど休職して回復の見通しが出てきた。あと3か月も休めば復職できそうだ。しかし長期間の休職によって、有休休暇は使い果たし、来月からは無給の欠勤になる。3か月分の生活費なら蓄えはあるが、加えて「厚生年金・住民税・失業保険・・・」など、支払いが必要なことに気づいた。

 貯金は減り、収入は3か月無く、社会保険など支払いは続く。休職の原因は、ライオン上司のハラスメントが原因ではないのか?昇進も無かったので給与額も据え置きだったではないか。ロバの心境は穏やかではなかった。
 
 そんな時、ある求人を見つけた。給与は今と同じで、なによりライオン上司や、狐課長と顔を合わせなくて良いのが魅力だった。そして無給が発生しない。心が揺れた。

 3か月が経ち、驢馬は元の職場へ復帰した。ライオン上司や狐課長は、哀れな者に同情するような、他人行儀の接し方だった。

 その半年後に人事異動があり、ライオン上司と狐課長は、それぞれ別の子会社へ片道キップの出向異動が発令された。(人事部は、ハラスメントについて気づいていた。)

 その時、驢馬は思った。「3か月間の無給に、当時は耐え難かったが、それを受け入れたので、今まで通りに働くことができる。定年までの十数年に比べれば、3か月の無給(=目の前の小さな損害)など、どうということは無い。転職しなくて良かった・・・。」
 
 驢馬は今も同じ職場で元気に働いているという。

 さてその後、驢馬の心が揺れた転職先であるが、ハラスメントと長時間労働による自殺者がでたことが新聞に大きく報道された。

イソップ寓話の教訓No.149「ライオンと驢馬と狐」

船主と船乗りの画像
イソップ寓話の教訓No.391「船主と船乗り」

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