イソップ寓話の教訓No.405「一眼の巨人(キュクロプス)」

最後の最後まであきらめるな!

ストーリー

 誠実で、仕事熱心な男がいた。

 長い間、家族ともども安定した生活を送っていたが、あるとき極度の貧困に陥ってしまった。

 男は将来に絶望し、みじめに生きるよりは死んでしまうことを選んだ。自ら剣を手にして、人気の無い場所へ出て行った。

 しばらく行くと、とても深い穴を見つけた。中をのぞくと、そこには一眼の巨人が隠しておいた沢山の金塊があった。

 この男は、たちまち恐れと喜びで胸がいっぱいになった。しばらく茫然と立ち尽くしていたが、手にしていた剣を捨て、金塊をすべて取り上げると、家族の待つ家へ帰って行った。

 やがて一眼の巨人が穴に帰って来ると、金塊は見当たらず、剣がそこに落ちているのを見た。しばらく立ち尽くし、その剣を使って、自ら命を絶った。

※キュクロプス:ギリシア神話に登場する卓越した鍛冶技術を持ち、額に一眼を有する巨人

 人生の一寸先は闇だ。幸運の波に乗っていたかと思えば、突然不運に見舞われる。不運続きで捨て鉢になっていたが、突然幸運が降ってわいてくる。誰にでも思い当たることがあるだろう。最後の最後まであきらめないことだ。

 万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。(松下幸之助)

一眼の巨人の画像
イソップ寓話の教訓No.405「一眼の巨人」

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