ハンスと三毛猫(グリム童話)

粉ひき小屋の奉公人が魔法の御殿でまじめに働き王女と結婚する話

ストーリー

 ある粉ひき小屋に、おじいさんと三人の奉公人がいました。おじいさんには家族がないので、三人の奉公人の誰かに、この粉ひき小屋を譲ろうと考えました。
 そこで、おじいさんは言いました「お前たち、旅に出なさい。みやげに一番良い馬を持ち帰ったものに、この粉ひき小屋を譲ろう!」

 三人は旅に出ました。夜になったので洞穴を見つけ、その中へ入ってごろ寝しました。朝になって三人の中で一番年下のハンスが目を覚ますと、他の二人の姿はありません。洞穴の中においてかれたのでした。
 ハンスは洞穴を出ると森へ入って行きました。一人でとぼとぼ歩いていると、三毛猫が声をかけてきました「ハンスさん、あなたが欲しいものはわかっていますよ。私の召使になって7年働きなさい。そうすれば立派な馬を一頭あげますよ。」

 三毛猫はハンスを魔法の御殿へ連れて行きました。
それからというもの三毛猫の言いつけどおり毎日毎日、朝から晩まで仕事をしました。
ちょうど7年たったころ、三毛猫は約束の馬をハンスに見せて言いました「うちへお帰り!馬は三日たったら私が届けてあげるよ。」

 ハンスが家に着いてみると、他の二人の奉公人も戻っていました。二人とも馬を連れて来たには来たのですが、一頭は目が見えず、もう一頭は脚が不自由でした。
 二人の奉公人はハンスに「お前の馬はどうした?」と尋ねるので、ハンスは答えて「三日たつと、後からやってくるよ。」
 これを聞いた二人は大笑いでハンスをバカにしました。おじいさんもハンスの身なりが汚いので、動物小屋に住まわせることにしました。

 三日たった朝、六頭立ての馬車が粉ひき小屋の前でとまり、きらびやかな王女が降りてきました。王女は粉ひき小屋のおじいさんに「ハンスにあげる馬を連れてきました。ハンスはどこですか?」と尋ねると、ぼろぼろの服を着たハンスが動物小屋から出てきました。
 それを見た王女は「馬はここにおいていきます」と言い、ハンスを馬車に乗せ行ってしまいました。
 その後、王女とハンスは婚礼をあげ、お金も生涯こまることがなかったそうです。

教訓
必ず誰かが見ていて、行動に応じた評価が返されます。良いことも悪いことも見られていることを忘れずに!

ハンスと三毛猫(グリム童話)
ハンスと三毛猫(グリム童話)

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