イソップ寓話の教訓No.111「ヘラクレスとプルトス」

富は正直者や善人の所ばかりへ行かない!

ストーリー

 ヘラクレスは神の列に加えられ、ゼウスの館で手厚くもてなされた時、一人一人の神様に実に愛想よく挨拶をした。ところが、最後にプルトスが入ってくると、背中を向けてしまった。

 ゼウスは、これを不審に思い「どの神々にも機嫌よく語りかけながら、ひとりプルトスを冷遇するのはなぜか?」と尋ねたところ、ヘラクレスが言った。

 「私が白い目で見るのは、他でもありません。人間の世界にいた時、あいつは大抵、悪人と一緒にいるからです。」

※ヘラクレス:波乱万丈な一生を遂げたギリシャ神話の怪力を持った英雄
※プルトス :収穫と富の神。盲目であるため悪人の元へも行く。

富は正直者や善人の所ばかりへ行かない。かえって悪人やずる賢い者の所へ行く傾向があるのだ。悔しいが事実である。


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