ある時、寓話作家のイソップは暇つぶしに造船所へ入って行った。船大工たちは彼をからかって、言い返さずにはいられないように仕向けたので、イソップは話を始めた。
「むかし、カオスと水が生じたが、ゼウスは土の要素も出現させたいと思い、3度海の水を飲みこむよう大地に促した。大地が1回目の海の水を飲みこむと、最初に山々が姿を現した。2度目に飲み込むと、今度は平野を露出させた。」
「もしも大地が3度目の水を飲み込むと、お前たちの仕事は無くなるのだ」
イソップを見下してからかった船大工たちに対し、イソップはこう示した。「お前たちの仕事は、自然の気まぐれ一つで消えるほど脆いのだ」 と。
船大工の仕事は「海がある」という前提で成り立つ。しかし、その前提が崩れれば、彼らの誇りも存在理由も一瞬で失われる。
この寓話は、
・自分の職業や立場にあぐらをかくな。
・他人を見下すほど安定した存在などどこにもない。
という教訓を象徴している。
世界は自分の都合で動いているわけではなく、状況が変われば立場は簡単に崩れる。誇りを持つことは良いが、それを他者を侮る材料にしてはならない。
この話は、傲慢への警告であり、自分の立場に固執する者への静かな皮肉である。

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