カテゴリー: グリム童話

グリム童話にまつわる教訓を掲載

  • グリム童話の教訓「猫と鼠とお友達」

    猫が鼠が知り合いになって、自分と一緒に暮らせば、いくらでも可愛がるというので、鼠は仕方なく一緒に暮らすことにしました。

    冬支度をすることになり、脂肪の瓶詰を買い込んできました。

    さて置く場所がないので、教会に置いておこうと決めたのです。

    ところが猫は、あの瓶詰が食べたくなって、鼠に言いました。「鼠さん、叔母に名付け親になってくれと頼まれたので、教会に行かなくてはならない。すまないが、留守番をお願いします。」鼠は「いいですよ」と答えました。

    すると猫はすぐに教会へ行き、脂肪の瓶詰の上皮をきれいになめてしまい、日向で寝そべって、日が暮れてから帰りました。

    鼠は「どんな名前を付けたのですか?」と尋ねると、猫は「かわなめ」と言いました。鼠は変な名前だと怪訝そうな顔をしましたが、そんなこともあるのだと信用しました。

    それから幾日もたたないうちに、名付け親に頼まれたと2回ほど教会へ行き、それぞれ「はんぶんぺろり」と「みんなぺろり」と名前をつけたと言うのです。

    真冬の寒い時期になって、鼠は猫に教会へ置いてある脂肪の瓶詰を取りに行こうと誘いました。二匹そろって出かけたのですが、教会につくと瓶詰の中身が空になっていました。

    鼠は、事の次第を悟り、猫に文句を言い出しますが、文句を言い終わらぬうちに猫は鼠につかみかかり、一飲みにしたと言うことです。

    教訓
    権力のあるものは、知らぬ間に利益を独り占めしています。

    猫と鼠とお友達の画像
    グリム童話の教訓「猫と鼠とお友達」
  • グリム童話の教訓「蛙の王様」

    むかし、王様とその娘がお城に住んでいました。

    お城の近くには大きな暗い森があって、その森に泉がありました。ある暑い夏の日に、末娘が一人、泉の脇でまり遊びをしていたら、どうしたことか、まりが泉へ転がり落ちてしまったのです。

    娘が泣いていると「どうしましたか?お姫様」と呼びかけるものがあります。声の方を見ると、水の中から一匹の蛙が顔を出していました。

    娘は「私のまりが泉の中へ落ちたので泣いているの」と言うと、蛙は言って「私がまりを取ってきましょう。そうしたらお姫様の遊び友達にしていただけますか?」

    娘は「ええ、約束します。」と言いました。

    蛙は水に潜ると、間もなくまりをくわえて浮きあがってきて、まりをお姫様に渡しました。お姫さまはうれしくなり、蛙との約束はすっかり忘れ、お城へ走って帰ってしまったのです。

    ところがあくる日、王様と娘が食卓についていると、戸を叩いて「お姫様、戸を開けてください!」と呼び立てます。

    王様は、娘の様子がおかしいことに気づき、事の次第を知って、「約束したことは、どのような事でも守らなければいけません。さあ、行って開けておやりなさい。」と言いました。

    食事が終わったあと、蛙は「お姫様のお部屋へ連れて行ってください!」と言いました。

    娘は蛙が嫌になり泣き出すと、王様は「困っているときに力を貸してくれたのだ。後になって嫌だというのは理屈が通らないよ」と言いました。

    お姫様は、腹が立って蛙を持ち上げると、壁に向かって投げつけました。ところが、蛙が床に落ちた時、美しい目をした王子に変わったのです。

    王子は魔女の魔法にかかり、蛙にされていたことを話しました。王様も娘も、王子を大変気に入り、王子と娘は結婚されたそうです。

    教訓
    約束したことは、小さなことでも守りましょう。それが信頼につながります。

    蛙の大様の画像
    グリム童話の教訓「蛙の王様」