投稿者: gray wolf

  • イソップ寓話の教訓No.361「猟師と山鶉と鶏」

    収入の種は生き残る!

    ストーリー

     猟師が夕食を作っているところへ、突然に友人が訪ねてきた。

     友人の夕食も必要になったが、鳥かごは空で獲物は無かった。

     そこで、狩りのおとりに使っている山鶉を夕食にしようとしたところ、山鶉は命乞いしてこう言った。

    「ご主人様、私を食事に使ったら、これから先に狩りは、どうするのですか。鳥の群れを誰がおびき寄せるのですか?」

     猟師は山鶉を放し、雄鶏を捕まえようとしたところ、金切り声をあげてこう言った。

    「ご主人様、時を告げる私を食事にしたら、夜明けをどのように知るのですか。狩りに行く時間をどのように知るのですか?」

    しかし猟師が言うには

    「確かにお前は時を告げるので役に立つ。しかし、今は友人に食事を作らなくてはならないのだ!」

    二人のうち、どちらか一方が犠牲になるとき、収入の種になるものは生き残ることができる。

  • イソップ寓話の教訓No.378「二つの壺」

    被害を受けるのは弱い者!

    ストーリー

    土の壺と金属の壺が一緒に川を下っていた。

    土の壺が金属の壺に向かって言うには、

    「あまり近寄らないでくれ。君が僕にぶつかたら、僕は壊れてしまうんだ!」

    独善的な権力者のもとでは、いつも被害を受けるのは弱い者だ。

  • イソップ寓話の教訓No.359「猿の真似をした驢馬」

    自分の役割を理解する!

    ストーリー

     猿が屋根に上って跳ねたり踊ったりしていたところ、それを見ていた男は笑いながら褒めていた。

     翌日、驢馬が屋根に上り跳んだり跳ねたりしたところ、屋根を壊してしまった。

     男は屋根から驢馬を引きずり下ろし、怒鳴りつけながら棒で驢馬を叩いた。

     背中の痛みに苦しみながら驢馬がうったえるには、

    「きのう、猿が私と同じことをして笑いながら喜ばれていたのに!」

    教訓
    自分の役割を理解する!驢馬の役割は荷物を運ぶこと。猿のように道化の真似をしても失敗するのは当たり前。人も自分の役割を果たせば周りから認められるだろう。見栄や嫉妬で自分の役割でないことを演じてもリスクを背負うだけ。

    猿の真似をした驢馬の画像
    イソップ寓話の教訓No.359「猿の真似をした驢馬」
  • イソップ寓話の教訓No.349「ランプ」

    上には上がいる!

    ストーリー

    ランプがアルコールのしみ込んだ芯から炎を出して

    「星よりも明るく、いろいろなもの明るく照らすことができる」と自慢した。

    ところが風が吹くと、たちまち炎は消えてしまった。

    側にいた人が再び火をつけてランプに言った。

    「さあ、ランプよ照らしてくれ。そして黙るのだ。星の光は風が吹いても消えないぞ!」

    この物語の教訓は
    上には上がいるのだ。自分のいる狭い世界では一番だったとしても、外の世界にでれば更に優れている者はいるものだ。傲慢になってはいけない。

    ランプの画像
    ランプ
  • イソップ寓話の教訓No.348「狼の将軍と驢馬」

    現実の世界の卑怯者

    ストーリー

    狼の群れの将軍となった狼が皆のために法律を定めた。

    もし何か手に入ったら、すべて公にして、皆に公平に分配する、と。

    そうすれば、ひもじい思いで共食いがなくなるだろう、と言うわけだ。

    そこへ驢馬が通りかかり、たてがみを振りながら言った。

    「狼の将軍は素晴らしい法律を定めましたね。ただ、昨日おれは見たよ。権力によって得たものを、こっそり懐にしまっていましたね。それはどういう訳ですか。」

    悪事のしっぽをつかまれた狼は、しばらくの間「記憶にない」と、とぼけていたが、証拠を突き付けられると、あっさり認め謝罪した。そして、その法律を廃止した。

    多くの国民は少ない収入で生活をやりくりしているが、その国民を下に見るように横柄な言動を行い、本当は誰がみても黒なのに、白だと言い続け、間違いを認めない、そして正さない。悪事がばれると批判を浴び、口先だけの謝罪を行い、本意でないふりをする。
    権力を利用して人知れず懐を肥やす、現実の世界に存在する卑怯な人間がいる。

  • イソップ寓話の教訓No.331「犬と兎」

    惰性の取り組みは向上しない!

    ストーリー

    ある日、猟犬が茂みの中に入る兎を見つけた。

    猟犬は兎を捕まえようと茂みから追い立てたところ、兎は勢いよく逃げ出し、猟犬は全速力で追いかけた。

    ところが兎の方が足が速く、あっという間に逃げられてしまった。

    それを見ていた牧羊犬が言った。「お前は、それでも猟犬か?あんなに小さな兎がお前より速く走って逃げきったじゃないか。」

    それに答えて猟犬が言った。「おれは楽しみで追いかけたが、兎は災難から逃れようと全力で逃げたからさ。」

    惰性で取り組んでいては向上しない。全力で取り組む者と惰性で取り組む者では上達の質や速さが違ってくる。まして全力を出していなかったと言い訳するようでは。