イソップ寓話の教訓NO.49  「仔牛を盗まれた牛飼いとライオン」

不運や幸福の相対性

ストーリー

 牛飼いが牛の群れを放牧していて、子牛を見失った。
 探し回っても見つからないので、ゼウスに祈って「盗人が見つかったら仔山羊を捧げる」と約束した。
 森の茂みに入って行くと、ライオンが子牛をむさぼり食っているのが見えた。
 牛飼いはきもをつぶし、両手を天に差し上げて言うには、
 「おおゼウスよ!先ほどは盗人が見つかったら仔山羊を捧げると約束しましたが、今は盗人の手から逃げおおせたら牛を捧げます。」

 今が不運だと感じるのは、今しか見えていないからだ。
 さらに大きな不運に出会ったとき、今の悩みが取るに足らなかったと知ることもある。
 長い人生では、幸福も不幸も、時間の中で形を変えていくのだ。

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